「やればできる!」と言い張って勉強しない子に手を焼く親御さんは多いと思います。しかし、お子さんの言動の背景には、心理的葛藤がある場合が多いのです。本記事では、中学受験専門塾・伸学会代表の菊池洋匡氏が、子どもの学力アップにつながる親子のための学習メソッドを紹介します。※本記事は、『「しつけ」を科学的に分析してわかった 小学生の子の学力を「ほめる・叱る」で伸ばすコツ』(実務教育出版)より抜粋・再編集したものです。

ほめるときは「結果ではなく行動」にフォーカスして

●セルフハンディキャッピングに陥らない育て方

 

また、私たち塾講師や親といった子どもを導く立場にある者が、意識しなければいけないことがもう一つあります。むしろ、ここからが本題です。

 

無意識に自分の能力にブレーキをかけてしまう。自分のプライドを守るために、本気を出して失敗したくないという気持ちが生まれ、いつの間にか本気を出せなくなる。とても怖い状態です。この「セルフハンディキャッピング」に陥りやすいかどうかは、子どものマインドセットによって変わると考えています。

 

「頭の良さ」が評価されるとなったら、子どもは頭が良いことを見せなければいけないと考えます。最も「頭の良さ」を示せるのはどういう状況だと思いますか? それは、努力をしていないのに良い成績が取れたときです。逆に、「頭が悪い」と思われてしまう状況は、努力をしたのに良い成績が取れなかったときです。ということは、「頭が良いところを見せたい」と思わせてしまうことが、「セルフハンディキャッピング」に子どもを陥らせてしまう原因になるわけですね。

 

逆に「頭の良さ」ではなく、「がんばっていること」が評価されるとなったら、自分のがんばりにブレーキをかけるメリットも必要性もなくなります。つまり、『子どもを「天才!」とほめるとウソつきになる!?専門家が解説』でお伝えした「決定論・証明型」のマインドの子が「セルフハンディキャッピング」に陥りやすく、「成長論・習得型」のマインドの子は「セルフハンディキャッピング」に陥りにくいということです。

 

 

あらためて繰り返しになりますが、「頭が良いね」などの才能や能力をほめるのではなく、「よくがんばったね」と行動をほめましょう。「あなたのがんばりを見ているよ」「あなたががんばってくれることがうれしいよ」というメッセージを伝えましょう。

 

また、日頃から成績の良し悪しで一喜一憂したりしないようにしましょう。そして、もしテストの結果をほめるときには、「あのとき、こういうがんばりをしていたからだね」とテストに向けての行動に紐づけて、行動によりフォーカスしてほめましょう。

 

●成果主義より行動主義

●才能よりも努力

 

ぜひ、この二つを子育ての軸にしてくださいね。

 

◆まとめ◆

頭の良さを見せたいと思わせてしまうと、無意識に自分で努力にブレーキをかけてしまうことがある。がんばる姿を見せたいと思わせるようにしよう。

 

 

菊池 洋匡

中学受験専門塾 伸学会 代表

 

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「しつけ」を科学的に分析してわかった 小学生の子の学力を「ほめる・叱る」で伸ばすコツ

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菊池 洋匡

実務教育出版

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