「早く出世したい!」人事制度に踊らされる、日本の会社員たち

中山てつや氏は著書『なぜ職場では理不尽なことが起こるのか?』のなかで、職場における諸問題について語っています。当記事では、中山氏のキャリアコンサルティングとしての実務経験をもとに、日本の企業における問題点を考察していきます。

 

人事権の意味をひも解くと、「使用者が、自己の企業に使用する人員について、採用・異動・昇進・解雇などを決定する権利」(出所:デジタル大辞泉)とあります。

 

「人事は水物」のような表現を用いる時にも、背景には、「人事権」の存在が見え隠れします。従って、絶大なる権限を有し、実際に、人事異動や人事評価を行うのも人事部である、と勘違いしてしまいます。よく混同して用いられるので、整理してみましょう。

 

人事評価など、人事制度に関する「仕組み」を作るのは、人事部です。しかし、仕組みを実際に運用して社員を評価するのは、「直属の上司」です。人事部が行うものではありません。

 

人事権は、あくまでも管理職である、直属の上司にあります。人事権を用いて部下を評価するのも、上司の大切な役割となります。なお、ここでいう上司という枠の中には、直轄部門の責任者や、経営幹部も含まれることになります(会社によって、多少の違いはあるかもしれませんが)。

 

一方、人事部は「評価」、「報酬」、「等級」に関する人事制度を構築し、仕組みが当初の目的に沿って、きちっと運用されているかを確認します。次に、各部門の上司が評価した内容に基づき、「昇格」や「降格」、「昇給」や「減給」の手続きを行います。人事異動の「発令」も、そのひとつに過ぎません。

「人事評価」は一体何のためにあるのか?

会社組織の中で働いている社員は、誰でも、自分がどのように「評価」されているのかを、気にしながら仕事をしています。多くの人にとって、「己の評価」が最大の関心事といっても過言ではありません。良い評価を得て、昇給、昇格し、出世することを目標に、日々の業務に励んでいます。

 

ひと昔前ですと、立身出世を目指す、企業戦士のイメージもありました。栄養ドリンクのコマーシャルにあった、「あなたは24時間戦えますか?」というインパクトのある、キャッチフレーズが思い出されます。

 

最近では、時代の変化とともに、ワークライフバランスを重要視する傾向も、見受けられます。仕事と生活のバランスを見直すことは、実に大切だと思います。

 

特に、日本の場合、いまだに「オン」と「オフ」の切り替えがうまくできない職場も多いので、この流れが、更に発展することを期待しています。それでも、自分が会社から「どのように評価されているか」に無頓着な従業員は、おそらくいないのではないかと思います。

 

人事評価の意味を要約すると、「社員に対して、仕事の成果に対する公正な処遇を行い、働く意欲を向上させる」ということになります。

 

会社は、業績の向上を目標として、従業員に少しでも良い成果を挙げてもらうために、様々な人事制度を設計します。加えて、「従業員満足度の向上」や、「評価の公平性」を追求しながら、少しでも効果のある、良い仕組みを構築しようとします。

 

その根幹を成すのが、人事評価の基準を定める「評価制度」と、階層や役職を規定する「等級制度」、及び、給与等を定める「報酬制度」です。この3つを、バランス良く連動させながら、効果的な制度設計を行うことになります。

 

しかし、本質的なところでは、所定の利益を挙げるために、全社員がやる気を持って、仕事に取り組めるような制度を作ることになります。必然的に、「ひとつでも上を目指す」仕組みとなって表れ、往々にして、席の配置など、目に見える形でも表れます。

 

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