新入社員が手間取りがちなメールの作成業務ですが、いくつかのポイントをさえおさえれば、驚くほどスムーズに遂行することができます。新入社員が身につけるべきビジネスマナーを、元・全日本空輸株式会社客室乗務員のプロフェッショナルマナー講師、岩崎智子氏が解説します。※本記事は、『ひと目で要点理解 最新版ビジネスマナー解体新書』(ナツメ社)より抜粋・再編集したものです。

社内、社外、その他のメール作成事例を紹介

 ●社外メール例(面識のない人に依頼) 

 

 

 あいさつ:最初に、初めてメールを送る、または面識がないことを伝えます。「突然メールをお送りする失礼をお許しください」「はじめてメールを差し上げます」「突然、失礼いたします」など、「はじめまして」のあいさつ文を入れます。

 

 名乗り:会社名と氏名の他、何をしている会社なのかも簡単に付け加えます。

 

 アドレスを知った経緯:どのようにしてアドレスを知ってメールしているのかを伝えます。

 

 本文:依頼内容と理由を簡潔に述べます。

 

 添付書類:添付ファイルを開くのはウイルス感染の恐れがあるため嫌う人もいます。特に初めてメールを送る場合は細心の注意を払いましょう。

 

 返事:返事を、いつまでにもらいたいかを明記。電話番号がわかっている場合は、「後日、改めて電話にてご連絡いたします」と添えます。

 

 署名:相手が連絡しやすいよう、署名は必ず入れます。

 

快諾をもらえたとき

「快くお引き受けくださり、ありがとうございます」「ご快諾いただき、感謝いたします」など、必ずお礼のメールを送ります。

 

 ●社外メール例(催促をするとき) 

 

 

 件名:催促でも、あくまでも「お願い」に。催促とストレートに書くのはNG。

 

 名乗り:会社名と名前(名字だけでもよい)を記します。

 

 疑問形にして確認:叱責せず、「その後、いかがですか」「お願いしていた○○はいかがでしょうか」「進捗状況を教えていただけませんでしょうか」などの疑問形で確認します。

 

 事実と期限を伝える:届いていない事実、いつまでに必要かの期日を伝えます。期日の理由を述べると、よりよいでしょう。

 

 自分の確認ミスの可能性も添える:催促していたものが入れ違いに届いていたり、自分の確認ミスの場合もあるので、「私の思い違いかもしれませんが」などの一文を添えます。

 

 結び:催促をするにしても、「お手数ですが」と添えると感じがよくなります。「再度、ご確認ください」「ご対応のほど、よろしくお願い申し上げます」で結んでも。

 

催促は謙虚に

その後も良好な関係を保つためにも、責めたてるような表現は避け、「まだ〜しておりません」と、遠回しに表現しましょう。

 

 ●社内メール例(ミーティングの案内) 

 

 

 宛先:複数の人に送る場合は、その中で最も役職の高い人を宛先(TO)にして、その他の人はCCにします。

 

 CC:社内の人をアドレス登録する際も、敬称や「様」を付けておきます。

 

 件名:用件を具体的に書きます。【要返信]とカッコ付きで強調しておくと、目的がひと目でわかります。なお、上司宛ての場合は予定お伺い】とします。

 

 宛名:複数の人宛ての場合は、各位としてOK。

 

 あいさつ:「お疲れ様です」が一般的ですが、上司に対しては「お疲れ様でございます」としたほうが丁寧です。

 

 名乗り:部署と氏名を名乗ります。

 

 本文:用件を簡潔に知らせます。日時、場所は箇条書きに。日程調整が必要な場合は、締め切り期日を明記します。

 

 署名:社内メールの場合は、部署名と氏名、内線番号、メールアドレスを入れます。

 

★こんなときは?


◆間違って他の人に送ってしまったとき

すぐに誤送信してしまった相手に電話をします。相手が出たら丁寧にお詫びをし、送ったメールの削除をお願いします。電話をしても不在の場合は、お詫びと送信メール削除のお願いのメールを送信後、改めて電話をします。

 

「大変申し訳ございません。ただ今、誤ってメールをしてしまいました。お手数ですが、わたくしのメールを破棄していただけると幸いです。どうぞよろしくお願いいたします」

 

◆パソコンからスマホに送るとき

ビジネスでは、お互い会社のパソコンのアドレスにメールを送るのがマナーです。相手から「急ぎのときはスマホ(携帯電話)に」と、アドレスを教えてもらった場合はスマホに送ってもOKですが、次の点に気をつけて送りましょう。

 

▼CCに会社用のアドレスを入れる

メールをいつ確認するかわからないので、会社でも確認できるようにしておきます。

▼要点のみコンパクトに書く

機種によって異なりますが、データ量に制限があるため、長文で送るのはNG。

▼ことわりを入れる。

「△△社の鈴木です。携帯電話にまでメールをお送りして申し訳ございません」と、社名と名前、ことわりを入れると丁寧です。

 

◆スマホからパソコンに送るとき

スマホに届いたメール返信や、出先で自分のスマホからメールをするときは、次のようにして送りましょう。

 

▼宛名+あいさつ+名乗り

社外メールなら基本フォーマット同様、宛名の後、「お世話になっております。△△社の鈴木です」と、あいさつと名乗りを入れます。

▼スマホからの送信だと伝える

会社のアドレスと連動しておらず、スマホの|アドレスから送るときは「外出中のため、携帯電話から失礼いたします」とことわりを入れてから、本文に入ります。

▼改行を適宜入れる

改行をバランスよく入れることで、相手のパソコン画面から見やすくなります。

▼希望する返信先を伝える

返信がほしい場合、そのままスマホのアドレスか、それとも会社のアドレスか、希望の返信先を書くと、その後の連絡がスムーズ。

 

 メール時短術 

 

▼単語登録機能を活用

単語登録機能(辞書登録機能)を使って、取引先の名称やよく使うあいさつ文を登録しておくと、最初の文字を入力するだけで自動的に呼び出されて入力の手間が省けます。

 

▼アドレス登録はフルネームで

取引先のアドレスは、会社名とフルネームをセットで登録しておくと、単語登録機能で呼び出されたときにも見分けやすく、誤送信を防ぐことができます。
 

 知っ得ポイント 

 

●簡潔でわかりやすい文面は、相手に安心感や信頼感を与え、業務も効率よく進む。

●誤送信トラブルを起こさないためにも、宛先、内容を2~3度確認してから送る。

 

 

岩崎 智子

NPO法人日本サービスマナー協会
プロフェッショナルマナー講師

 

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