「駅裏一等地」を狙った奇策で…インドネシア不動産の攻略法

宗吉敏彦はリーマンショックに巻き込まれ650億円の負債を抱えて倒産。いったん経済の表舞台から姿を消した。リーマンショックで地獄に堕ちた男はアジアで再起のチャンスをいかに掴んだのか。宗吉とともに躍進するアジア不動産市場の潜在力と今後の可能性を探る。本連載は前野雅弥、富山篤著『アジア不動産で大逆転「クリードの奇跡」』(プレジデント社)の一部を抜粋し、編集したものです。

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インドネシアは毎年人口が300万人ずつ増える

人口増で長期的には上昇に向かう

 

赤道直下の国インドネシアの面積は日本の5倍。1万4000以上の島嶼国だ。国内インフラの整備はまだ不十分な地域も残るが、GDP(国内総生産)は急成長を続け、2018年時点で1兆422億ドルと日本の5分の1をやや下回るラインにつける。平均年齢28.8歳。毎年人口が300万人ずつ増える「マンパワー」はアジアの他の国々と比べても圧倒的だ。人口でも経済規模でも東南アジア諸国連合(ASEAN)のなかで突出した規模を持つ東南アジアの大国だ。

 

これだけエネルギーがあふれる国を宗吉が放っておくはずはない。2017年、宗吉はインドネシアに進出、「ベトナムやカンボジアなど他の東南アジアよりも市場の潜在力は大きい」と見て、さまざまな箇所に楔を打ち込んでいる。

 

インドネシアは1997年7月のアジア通貨危機後、IMFとの合意に基づき、銀行部門と企業部門を中心に経済構造改革を断行した。以来、政治は比較的安定、個人消費も堅調な拡大が続く。2005年以降の経済成長率は、世界金融・経済危機の影響を受けた2009年を除き、5%後半~6%台という比較的、高い成長率を達成してきた。

 

インドネシアではJR東日本が譲渡された車両が走っているという。(※写真はイメージです/PIXTA)
インドネシアではJR東日本が譲渡された車両が走っているという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

2010年には1人当たり名目GDPが3000ドルを突破し、2019年には4000ドル台に乗ったもようだ。

 

しかし、インドネシア経済は決して良くはない。主要輸出品である資源価格が低迷、2018年後半にはインドネシアルピアの為替水準は1997年のアジア通貨危機近くの水準にまで落ち込んだ。さらに2019年に大統領選挙があった影響も残り、いまだ投資家の心理も冷え込んだままだ。

 

アジアの国々では政権が代わると経済政策や制度が大きく変わるのが常で、インドネシアの場合もジョコ大統領の再選は「ほぼ固い」というのが下馬評だったが、それでも万が一に備え投資家たちは動きを止めてしまっている。

 

ただ、その流れもいずれ変わる。そもそも新興国の不動産市況に変動はつきもの。「人口が増えている以上、山と谷のサイクルはあるものの長期的には上昇に向かう」というのが宗吉の持論で、それはインドネシアにも当てはまった。インドネシアの場合も人口は着実に増え、平均年齢も若い。今の不動産市況のサイクルはたまたま谷に差しかかってはいるが、「今後数年でこの国の市場もまた他の東南アジアの国々と同じように必ず盛り上がっていくはず」と宗吉は言う。

 

その根拠は公共交通網の整備だ。インドネシアでは空港や高速道路、鉄道、港湾などインフラの整備は急ピッチで進むが、とりわけ公共交通網の整備は緊急の課題とされる。この公共交通網の整備こそ不動産市況を底上げするエネルギーになると宗吉は見る。

クリードグループ 代表

1965年生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業後、伊藤忠商事に入社。不動産開発やコーポレートファイナンスに従事したのち、1996年クリードを設立。
当時の国内不動産業界で一般的でなかったDCFの概念を取り入れた不動産投資・評価にいち早く着目し事業をスタート、私募不動産ファンド・REIT運用等を手がける。
2012年からは、マレーシアを皮切りに本格的に東南アジアでの不動産投資に着手。現在、シンガポールに拠点を移し、マレーシア、カンボジア、ミャンマー、バングラデシュ、ベトナムで事業を展開している。

著者紹介

日本経済新聞 記者

東京経済部で大蔵省、自治省などを担当後、金融、エレクトロニクス、石油、ビール業界等を取材。現在は医療、不動産関連の記事を執筆。著書に『田中角栄のふろしき』(日本経済新聞出版社)がある。

著者紹介

日本経済新聞 記者

2014年よりハノイ支局長としてベトナム全般を取材。現在は日経産業新聞の海外面デスクを務める一方、外国人労働者問題、ASEANなどを取材。著書に『現地駐在記者が教える 超実践的ベトナム語入門』(アスク出版)がある。

著者紹介

連載リーマンの敗者、沸騰するアジアの不動産市場で奇跡の復活

アジア不動産で大逆転「クリードの奇跡」

アジア不動産で大逆転「クリードの奇跡」

宗吉 敏彦 前野 雅弥 前野 雅弥

プレジデント社

クリードの奇跡の主人公、宗吉敏彦は、2009年1月9日、リーマン・ショックに巻き込まれ650億円の負債を抱えて倒産。いったん経済の表舞台から姿を消したものの再びアジアで復活したかと思ったら、世界的な新型コロナウイルスの…

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