日本の持ち家率は60%を超え、マイホーム購入に至る年齢は40歳前後というのが一般的。30代で千葉県船橋市の郊外に建売の新築一戸建てを購入した、ある30代夫婦。この先、住宅ローンをどのように返済していくのか見ていきましょう。

千葉県「住みたい街」No.1の「船橋」に新築を購入

千葉県船橋市「船橋」駅。毎年恒例の『住みたい街ランキング』(関東版)で千葉県の上位常連の街だ。ここが最寄り駅となる新築一戸建てを購入した30代夫婦。一人息子が小学校に入学する前にマイホームを購入するのが目標だったとか。

購入したのは、駅からバスで20分ほどの4200万円の4LDKの建売り。子供が遊べる庭が欲しいと考えると、価格的にもバス便利用は仕方がないことだったという。

「船橋」駅は、JR(総武線、快速/各駅停車)と東武野田線(東武アーバンパークライン)の接続駅で、さらに駅南口から150mほど離れたところには「京成船橋」駅もあり、交通の便がいい。会社までは総武線各駅停車を使って片道1時間20分ほどかかるが、始発電車が多い「西船橋」駅を駆使すれば、座って通勤できるのも決め手だった。

JR駅には駅ナカ商業施設として「シャポー船橋」があり、本館と南館合わせて90店舗以上の多彩な店がラインナップ。一方、「東武船橋」駅側には「東武百貨店船橋店」があり、そのまま北口を抜けた右手には大型スーパー「イトーヨーカドー船橋店」もある。買い物環境は抜群だ。

バス便の関係であまり利用することはないという駅南口は船橋市の中心市街地で、北口に比べると雑多な印象を受けるエリア。以前、南口を出てすぐに「西武船橋店」があったが、2018年に閉店。跡地には、地上48階、地下2階の高層マンションなどを建設する計画が進行中であるという。

その対面に建つのが、再開発ビル「Face」。飲食店や家電量販店のほか、市民文化創造館「きらら」などの公共施設が入っている。隣接して「京成船橋」駅があるが、そこから東に抜ける一帯には、飲食店や風俗店が点在する歓楽街が広がる。

また船橋大神宮への参道として古くから商店が並び発展してきた本町通りには、「船橋市本町通り商店街」が広がり、路地に入ると、呉服屋や布団屋、和菓子屋など、昭和の面影を残す古い街並みが残る。

最寄り駅の「船橋」周辺は、商業が集積し、常に活気がある雰囲気。ある程度のものであれば、駅前である程度のものが揃えられるうえ、金融機関や市役所の出張所もあり、生活利便性も申し分ない。

ただ購入した新築一戸建てだが、バス便利用で駅から20分というのが、いまになってネックになったいるとか。通勤時間は往復3時間。50分ほど電車に揺られ、さらにバスに乗る……そんな毎日が苦痛だという。
 
「船橋」南口/PIXTA
「船橋」南口/PIXTA

 

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毎月10万円のローン返済、子供の教育費も考えると…

国土交通省『令和元年度住宅市場動向調査』によると、日本人の持ち家率は61.0%。30代前半で26.2%、30代後半で43.8%なので、前出の夫婦は平均よりも早めにマイホーム購入に踏み切ったことになります。

 

建売の新築一戸建てを購入した人の平均通勤時間は、購入前は45分だったのに対し、購入後は43.7分と若干短くなっています。前出の30代夫婦の場合、通勤時間が1時間20分なので、平均値の倍の負担がかかっていることになります。

 

また購入の際の自己資金比率は26.5%。前出の夫婦が購入した戸建てに当てはめると、3000万円ほど住宅ローンを活用したことになります。仮に以下の条件で借りたとしましょう。月々の返済額は、いくらになるのでしょうか。

 

[借入条件]
・返済方式 元利均等
・返済頻度 毎月
・当初金利 0.6%
・それ以降の金利 1.5%
・返済期間 30年

[返済額]
返済額(~5年目) 9万1078円
返済額(5年目~) 10万1453円
利息分 590万427円
返済総額 3590万427円

 

仮に30代男性の平均的な給与をもらっているとすると、30代前半で月34万8100円、年収523万4900円、30代後半で36万5200円、年収610万3500円(厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』より算出)。手取り額は26万円から29万円程度になります。そこから返済額を引くと、16万円から19万円ほどで家族3人、暮らしていかないといけない計算となります。

 

気になるのは、毎月のローン返済だけではありません。子供の成長に伴い、教育費も増えていきます。文部科学省『平成30年度子供の学習費調査』によると、幼稚園では公立で約64万円、私立で約158万円、小学校では公立で約192万円、私立で約959万円、中学校では公立で約146万円、私立で約421万円、高等学校では公立で約137万円、私立で約290万円がかかります。

 

さらに大学進学まで考えると、国立大学の初年度納付金は81万7800円、私立大学だと文系で117万2582円、理系で154万9688円。4年間では、国公立大学で250万円ほど、私立大学文系で400万円、私立大学理系で550万円程度の費用が必要となります(文部科学省『国立大学等の授業料その他の費用に関する省令』、『私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査』より)。

 

毎月の生活に加えて、ローンの返済、さらには子供の教育のための積立などを考慮すると、夫だけの収入だけでは苦しく、妻も在宅ワークをスタート。生活を切り詰め、できるだけ早くローン完済を目指したいといいます。

 

 

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