4浪中の学生が突然来なくなって…
私のところでは授業開始時間までに来ないと、すぐに電話を入れます。しかし、彼は滅多に電話には出ません。出るときは必ず、何か理由をつけてきます。「すみません。お腹が痛くて…すぐに行きます」。それを聞いて胸をなでおろして登校を待ちます。
しかし現れません。こんなことの繰り返しです。そしてある時は、「昨日、どうして休んだの?」と聞くと、「昨日は親と喧嘩してしまい、すみません」などと言います。
次の時は、「内緒なのですが、友達同士でトラブルがあって、その子たちのことを考えていたら眠れなくなったのです、すみません」。
必ず語尾に「すみません」とつけるのです。
ある時、その学生がほかの学生と諍いを起こし、何日も休んだのです。スタッフが電話しても、一向に出てくれません。
数日後、業を煮やして、彼の住んでいるマンションに出向き、直接会って、話をしました。いや、最初は一方的に私が話したといったほうが現実に近いでしょう。教職経験が長いので、およそ学生の考えていることは分かります。
たとえば笑顔を乱発する子は天真爛漫である場合もありますが、多くは自信がないので他人に好かれたい、認められたいのです。もちろん、このケースはじっくり観察しなくても後者のほうだと分かりました。
「すみません」の連発も、同様です。素直なのではなく、そう言うことで自分を守っているのです。休むたびにいつも言い訳が用意されているのも胡散(うさん)くさいわけです。
つまり、「宿題をしてなかったのです」「今日は寝ていたかったのです」などと本当のことを素直に言えないのです。こうした性格は、ほとんどの場合、親からの抑圧に起因します。つまり、本当のことを言うと、子供の時から激しく怒られ続けたのでしょう。
もっとも、親にこの意識はありません。「怒られるようなことをするからだ」くらいの感覚でしょう。もっと私見で言わせていただければ、親の愛が根底にある怒り方と、愛を感じない、突き放した怒り方とでは、結果は全く違うものになるのです。後者が20年も続けば、誰だって、自分を守ろうとする習慣がつくのも当然です。
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