日本人の平均寿命が延びているなか、これまで築き上げた資産がなくなるまでの期間、すなわち「資産寿命」が短いと、自分のやりたいことができません。今回は、金融機関の将来不安を煽るようなセールストークを信じて、安易に投資を始めてはいけない理由について解説します。※本連載は、大江英樹氏の著書『資産寿命 人生100年時代のお金の「長寿術」』(朝日新聞出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

年齢に応じて「投資の目的」を考えることが大事

ただし、誤解の無いように言っておきますが、筆者は投資が全く必要ないと考えているわけではありませんし、「投資は危険だからしない方が良い」と言うつもりもありません。

 

投資は資産寿命を延ばす有効な方法の一つであることはもちろんです。ただ、若い頃から始める投資と50代、60代から始める投資は、そのやり方が異なります。

 

大きく損をしたとしてもまた働いて稼げばいいや、と考えられる20代や30代と違って、ある程度の年齢の場合は、大きな失敗は取り返しのつかない場合もあります。したがって、そのやり方についてはよく考えてから始める必要があるのです。

 

具体的には、前述した3つのこと、

 

①何のために投資をするのか?

②投資の本質とは一体何なのか?

③投資は具体的にどうすればいいのか?

 

をよく考えるのが大切です。①何のために投資をするのか? と言うと、 「え? そんなこと言うまでもないでしょう。資産寿命を延ばすためなのだから」と思う人は多いことでしょう。

 

確かにその通りなのですが、実際に投資を始めてみると、目的を取り違えてしまって過大なリスクを取ってしまう人がたくさんいることも事実です。

 

そもそも投資するのは一体何のためでしょう。平たく言えば「儲けるため」なのは間違いありません。ただ、儲けを得ようと思うとリスクを避けることはできません。

 

この場合に言う「リスク」とは必ずしも損をするという意味ではありません。投資の世界におけるリスクというのは、どれぐらい儲かるか損するかがわからない、その「ブレ具合」のことを言います。たくさん儲けようと思ったら、当然たくさん損をする可能性もあることを覚悟しなければなりません。

 

したがって、積極的にリスクを取ってたくさん儲けることにチャレンジするのも投資の目的として間違いではありません。

 

が、投資にはもう一つの目的もあります。それは資産の価値を減らさないようにすることです。もう少し具体的に言えば、将来物価が上昇しても、自分の持っているお金の購買力が減らないようにするということです。

 

 

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資産寿命 人生100年時代の「お金の長寿術」

資産寿命 人生100年時代の「お金の長寿術」

大江 英樹

朝日新聞出版

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