ラオスで起こる住宅ブーム…100戸以上の大規模開発の成否

宗吉敏彦はリーマンショックに巻き込まれ650億円の負債を抱えて倒産。いったん経済の表舞台から姿を消した。リーマンショックで地獄に堕ちた男はアジアで再起のチャンスをいかに掴んだのか。宗吉とともに躍進するアジア不動産市場の潜在力と今後の可能性を探る。本連載は前野雅弥、富山篤著『アジア不動産で大逆転「クリードの奇跡」』(プレジデント社)の一部を抜粋し、編集したものです。

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ラオス経済はタイの20年から25年遅れている

なかなか日本にはなじみのないラオスだが、実は「さほどビジネスが難しい国ではない」とクリードのバイスプレジデント、約仕知宏。その理由の第一が言語だ。ラオスはタイに隣接、英語があまり通じない。しかし、代わりにタイ語が通じる。ラオスの子どもはタイ語のテレビを見て育つので、ラオス人はだいたいタイ語は理解できる。

 

つまり「タイの経済はラオスの20年から25年先を行っている」(宗吉)が、その経済先進国であるタイからスタッフを派遣すればいい。ラオス人はタイ語を理解できるので、タイ人に組織を運営させることが可能なのだ。

 

ラオスの国内総生産(GDP)は小さくて、「街の開発レベルはカンボジアの約10年遅れ」(宗吉)であるが、1人当たりのGDPを物差しにすると国民1人はカンボジアの2倍程度の豊かさ。ラオスの首都、ビエンチャンは実際にタイよりも物価が高い。車で30分も走りメコン川の橋を渡ってタイに入れば物価は安い。

 

週末になれば多くのビエンチャン市民はタイに買い物に出かけるという。(※写真はイメージです/PIXTA)
週末になれば多くのビエンチャン市民はタイに買い物に出かけるという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

週末ともなれば多くのビエンチャン市民はタイに買い物に出かける。そんなラオスに今後、世界の投資家の注目が集まるとなれば、今からのこの国で何かが起きる可能性は高い。

 

だから宗吉は考えた。

 

「ラオスがカンボジアの10年前の状態なら、10年前にカンボジアで起きたことが今度はラオスで起きる」

 

それが住宅ブームだ。そしてそのブームの果実をいち早く手にするファーストランナーにクリードがなれるかもしれないと宗吉は考えた。「タイムマシンで時間を遡る感覚でラオスを見てみよう」。プノンペンには100以上の住宅開発プロジェクトがあるのに、ビエンチャンには数件しかない。

 

「プノンペンでの経験がラオスできっと生きるはず」

 

日本での成功体験はここでも生きるのか

 

そうなればやるべきことは市場調査だった。宗吉が基本とするマーケット、中間層が欲しいと思う住宅像を確定することが先決だった。どうやって具体的にラオスのマーケットを開拓していくのか。イメージをつくるのは宗吉の仕事だった。

 

日本であれば調査会社に依頼すれば簡単だが、ラオスには調査会社がない。宗吉はラオスでのパートナーであるスー・マのルートで20社程度の大手企業を訪問し、住宅購入を検討できる中間層の中でやや余裕のある層にヒアリングをかけていった。

 

ヒアリングは1回30分から60分程度。一戸建ての庭にはプールは必要なのか、エントランス(玄関)はどんな仕様がいいか、買える価格の上限は今の年収の何倍か―。そしてクリードが次に手がける具体的なプロジェクトの形が少しずつできあがっていった。顧客になってくれそうな、ある程度の収入がある若い家族層に絞り込んでスモール・ミーティングを数回やったところ「こんな家があったらぜひ買いたい」と反応も上々だった。

クリードグループ 代表

1965年生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業後、伊藤忠商事に入社。不動産開発やコーポレートファイナンスに従事したのち、1996年クリードを設立。
当時の国内不動産業界で一般的でなかったDCFの概念を取り入れた不動産投資・評価にいち早く着目し事業をスタート、私募不動産ファンド・REIT運用等を手がける。
2012年からは、マレーシアを皮切りに本格的に東南アジアでの不動産投資に着手。現在、シンガポールに拠点を移し、マレーシア、カンボジア、ミャンマー、バングラデシュ、ベトナムで事業を展開している。

著者紹介

日本経済新聞 記者

東京経済部で大蔵省、自治省などを担当後、金融、エレクトロニクス、石油、ビール業界等を取材。現在は医療、不動産関連の記事を執筆。著書に『田中角栄のふろしき』(日本経済新聞出版社)がある。

著者紹介

日本経済新聞 記者

2014年よりハノイ支局長としてベトナム全般を取材。現在は日経産業新聞の海外面デスクを務める一方、外国人労働者問題、ASEANなどを取材。著書に『現地駐在記者が教える 超実践的ベトナム語入門』(アスク出版)がある。

著者紹介

連載リーマンの敗者、沸騰するアジアの不動産市場で奇跡の復活

アジア不動産で大逆転「クリードの奇跡」

アジア不動産で大逆転「クリードの奇跡」

宗吉 敏彦 前野 雅弥 前野 雅弥

プレジデント社

クリードの奇跡の主人公、宗吉敏彦は、2009年1月9日、リーマン・ショックに巻き込まれ650億円の負債を抱えて倒産。いったん経済の表舞台から姿を消したものの再びアジアで復活したかと思ったら、世界的な新型コロナウイルスの…

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