医学部専門予備校・TMPS医学館代表取締役の長澤潔志氏が、自らの経験談をもとに、医学受験専門予備校に通う生徒たちのゆがんだ実態について解説していきます。

「医者の息子」努力が続かない理由

あるいは学生が授業をさぼる。そうすると「なぜ出席させないんだ?」と怒鳴り込んでくる親もいれば、学生同士の諍(いさか)いに首を突っ込んで、「あの子供の親を訴えてやる!」と怒鳴り込んでくる親もいます。本当に笑い事では済まない話も少なくないのです。

 

親が医者、特に開業医であれば、自分の医院を子供に継いでほしいと思うのは人情でしょう。それはよく分かります。実際、子供のころから医者とはなんぞや、医者はいかに大変な職業で、しかし、いかにやりがいのある仕事かということを学んでいる人間のほうが、いい医者になれる近道にいるはずなのです。

 

ところが、そうした好循環が実際にはあまり築かれていないのです。むしろ、長い間、放任か過保護に育てたあとに、ただいきなり、「お前は医者になれ。医者は一生続けられるし、お金も人並み以上だから」と親のほうから言いだすのです。

 

子供のほうも、特に何になりたいわけでもないし、自然と親のあとを継ぐのかな、と思っています。まるで、医者の子供は自動的に医者になれると思い込んでいるかのようです。

 

しかし、そうした子供たちは、医者になることが至上命題であると思いつつも、本当に医者になりたいわけではないのです。だから真剣に努力をしたいとも思わないのです。そこが、あとの教育を託されたこちら側のつらいところです。

 

つまり、原点から始めなくてはいけないのです。自分の意志を持ち、目標を持つ。そこに向かって努力をする。そこで必要になる、それこそ〝学ぶ姿勢〞や〝生活習慣〞から叩き込まなくてはいけないのです。

 

いわゆる「受験勉強」は遠い先の話です。

 

たとえば偏差値40以下の子供であれば、受験のテクニックどころか、学力においては高校1年、場合によっては中学生からやり直しです。学ぶ姿勢などないからです。そしてここでいう学ぶ姿勢は、それなりの生活習慣がベースになります。

 

生活習慣は、性格にも起因します。人間教育に力を入れなければならない理由はここにあるのです。これはどんな職業につくにも大切なことですが、特に医者になるのであれば、必要なことだと思います。人間力を磨きながら、学ぶ姿勢を身につけてもらうように努力しています。

 

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    本連載は、『医学部受験の闇とカネ』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。なお本記事で紹介している内容は、著者の体験をもとに執筆しております。万一、本連載の記載内容により不測の事故等が生じた場合、著者、出版社はその責を負いかねますことをご了承ください。

    医学部受験の闇とカネ

    医学部受験の闇とカネ

    長澤 潔志

    幻冬舎メディアコンサルティング

    講師歴30年の医学部専門予備校代表の長澤潔志氏が、実体験をもとに、合格率を偽って、「授業料を挙げる予備校」、「コネとカネがなければ合格できない推薦枠を設ける大学」、「指導力不足で受験生を浪人に導く高校」など、さま…

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