実績多数…「ベンチャー企業への投資」に成功する人材の共通点

ベンチャー企業が成功するには、どうすればよいのでしょうか。その1つとして欠かせないのが、リスクマネーを供給するベンチャーキャピタルからの資金調達です。20年以上もの間、多くのベンチャー企業の成功と失敗を見てきた筆者が、ベンチャーキャピタルの視点から「成功確率を上げる」ために必要な知識とノウハウを解説。

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ベンチャーキャピタリストには「業界特化」が必須

ベンチャー企業に投資する上で必須となるのが、目利き力である。しかし正しい目利きをするための専門知識は、一度はその業界での経験を積まないと、簡単には習得できない。これは筆者らが投資している医療機器に限ったことではなく、バイオ、ITなども同様だ。つまり、技術的な専門性がないと理解できないものは多く、新卒でベンチャーキャピタルに入った場合、専門知識を習得するチャンスは少ない。

 

すでに売上があるレートステージのベンチャー企業に対しては、専門知識がなくてもそれなりの評価はできる。しかし、シードステージやアーリーステージのベンチャー企業に対しては、専門性や業界経験がないと評価はできない。ベンチャー企業がベンチャーキャピタルに求めるのも本来はこういった業界の経験に基づくアドバイスや提携先、人材の紹介などだ。

 

経験のないベンチャーキャピタリストが提供できるハンズオン支援は、たかがしれている。IPOの体制構築や、CFOの紹介などであれば専門性は問われないが企業を助けるためには、ベンチャーキャピタリストにもそれ相応の経験値や業界の理解、ネットワーク等が必要になる。

 

また、ベンチャー企業がベンチャーキャピタルに求めるものの一つとして、会社としてのビジネスモデルや、臨床試験を実施するかどうか、どのようなエグジットを狙っていくかといった、会社としての重要な決断時におけるアドバイスがある。

 

業界で多くの成功事例を経験しているベンチャーキャピタリストが「この選択で大丈夫」という太鼓判を押してくれるだけでCEOの肩の荷は軽くなる。業界のことを全く知らないベンチャーキャピタルの言葉とは重みが違う。

 

経営の方向性を初期段階で誤ってしまうと、あとで取り返すことはできない。本当にベンチャー企業の役に立ちたいなら、ベンチャーキャピタリストは業界に特化するべきで、米国で実績のあるベンチャーキャピタリストはそういう人材がほとんどである。

 

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

投資領域の特化は「ゼロから一緒に始める覚悟」が必要

これは業界によっても違うとは思うが、こと医療機器に関しては、投資する領域も特化したほうが良い。買収事例が圧倒的で、リターンも多いことが明確な治療機器と、その正反対である診断機器であれば、治療機器に投資したほうがいい。

 

ただ、領域をあまりに狭めてしまうと、十分な投資案件がなく、ファンドの資金を消化できない。そのため案件の発掘の難度が上がる。領域に特化すればするほど専門性は上がり、投資対象となるベンチャー企業の数は減少する。

 

領域に特化するためには、ベンチャー企業がまだ立ち上がる前、つまり、ゼロから一緒にスタートするくらいの覚悟が必要になる。弊社の場合は、日本にはまだ医療機器ベンチャー企業が少ないので、当初からゼロからの立ち上げもターゲットにしており、これまで成功事例を複数生んでいる。

領域を広げるなら「相場観や判断基準」を見て投資開始

対象領域を広げる場合は、慎重な対応が求められる。その領域での動向をしばらくウオッチし相場観や、成功事例のバリュエーション基準が決まってきた段階で投資を開始する。

 

例えば、デジタルヘルスは1号ファンドでは1件も投資をしなかったが、2号ファンドでは複数しており、初年度に投資したコンパニオンメディカル社は想定通りの価値でエグジットを達成した。1号ファンドの時点では、デジタルヘルスは玉石混交で、IT系のベンチャーキャピタルも投資していたため、バリュエーションが過度に高かった。それから5年以上が経過し、上場したベンチャー企業のバリュエーションや、その算定基準の見方がある程度分かってきたところで投資対象とした。

 

また、医療機器として承認が必要な製品と、BtoCの製品とでは利益率などにも大きな違いがあることがかなり明確になり、投資するための基準が固まってきた印象がある。

 

立ち上がって間もない領域、例えば、AIやデジタルヘルス等は、IPOで株価の予測ができない範囲で暴騰する可能性もあったが、一方で、いつまで経っても黒字化できずやはりだめだったという可能性もあり、領域に特化しているベンチャーキャピタルとしては、なかなか参入しづらい面もある。

成功するには「国内外の情報収集」が不可欠

投資対象の国や地域はファンドごとに定める。これは業界や分野によっても異なると思うが、医療機器の場合は群を抜いて米国が強く、イスラエルおよびヨーロッパからは、ときどき成功事例が生まれる程度だ。今のところ、中国から世界的に成功した医療機器のベンチャー企業は聞いたことがない。ほとんどの成功事例が米国発である。

 

ライフサイエンスへ投資する最大の魅力は、良い製品であれば一気に世界中で売れることにある。不治の病とされていた病気が治療できる医療機器であれば、米国発であろうが、日本発であろうが、確実に世界中で使用される。その医療機器がなければ命が助からないのだから当然だ。

 

しかし、それは怖い点でもある。なぜなら国内のベンチャー企業だけを相手に開発競争をしていると、海外でより優れた製品が開発された場合、あっという間に無用となる。同じ土俵で世界を相手に開発競争しなくてはいけない。医療機器産業は長年輸入超過だが、海外製品のほうが国内製品よりも売上が圧倒的に多い。

 

従って、普段から、海外のベンチャー企業や大手医療機器メーカーの動きを注視しておかなければ、国内のベンチャー企業に投資をするための情報収集ができないし、目利き力も培われない。投資対象を国内に限定することなく、海外も含めることで、目利き力も養われ、国内のベンチャー企業にも投資ができるようになるのだ。特に、ライフサイエンス分野においては、製品や技術に国境はない。

 

 

大下 創

MedVenture Partners株式会社 代表取締役社長

 

池野 文昭

MedVenture Partners株式会社 取締役チーフメディカルオフィサー

医師

 

 

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MedVenture Partners株式会社 代表取締役社長

1969年生まれ。1997年から20数年の医療機器業界(事業会社・ベンチャーキャピタル)での経験を有する。

投資先の成功をきっかけに、2005年、シリコンバレーのベンチャーキャピタル(VC)で現地採用され、米国医療機器ベンチャー企業への投資を約5年間担当。
海外投資での成功率はこれまで通算8割を上回り、複数の投資先が時価総額1000億円超を達成している。

投資先が開発した製品は、世界中で多くの患者を救っており、代表的なものに治療法のない巨大脳動脈瘤の治療を可能にしたPipeline Stent等がある。

2013年、池野とともに、国内初の医療機器専門のVCであるMedVenture Partners株式会社を創業。1号ファンド(60億円)に続き、2019年に2号ファンド(99億円)を設立し、国内でも成功事例を生みだし、多くの投資先で社外取締役を務めている。

著者紹介

MedVenture Partners株式会社 取締役チーフメディカルオフィサー 医師

浜松市出身。1967年生まれ。自治医科大学卒業後、9年間、僻地医療を含む地域医療に携わり、日本の医療現場の課題、超高齢化地域での医療を体感する。2001年渡米。スタンフォード大学循環器科で研究を開始し、以後、多くの米国医療機器ベンチャー企業の製品開発に創業当時から携わる。

また、医療機器大手も含む、同分野での豊富なアドバイザー経験を有し、日米の医療事情に精通。研究と平行し、2014年からスタンフォード大学バイオデザイン講座で、医療機器分野・起業家養成プログラムの講師として教鞭をとっており、ジャパンバイオデザインの設立にも深く関与。日本にもシリコンバレー型の医療機器エコシステムを確立すべく、精力的に活動している。

著者紹介

連載医療機器開発とベンチャーキャピタル~起業成功の必須予備知識

※本連載は、大下創氏、池野文昭氏による共著『医療機器開発とベンチャーキャピタル 実践編』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

医療機器開発とベンチャーキャピタル 実践編

医療機器開発とベンチャーキャピタル 実践編

大下 創
池野 文昭

幻冬舎メディアコンサルティング

起業を目指す「医師」「研究者」「医療機器開発者」必読! 医療機器ベンチャーの“成功確率を上げる”ために必要な知識とノウハウとは? 筆者は医療機器開発に特化したベンチャーキャピタリストとして、20年以上、数多くの…

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