長時間の連続した睡眠をとれないことを不安に思う人は多いのですが、人間の心身は細切れの睡眠でもリフレッシュすることが可能です。むしろ、眠れないことを気にしすぎるほうが悪影響だといえます。スタンフォード大学医学部教授の西野精治氏が解説します。※本記事は、『眠れなくなるほど面白い睡眠の話』(日本文芸社)より抜粋・再編集したものです。

眠くならないときは、一度ベッドから離れてみよう

●不安で眠れなくなってしまう

 

不眠には、心理的な要因も大きく影響します。「眠れない」と気にしはじめると、ますます眠れなくなるのです。それでも、できれば睡眠薬には頼りたくないという人は、認知行動療法を試してみるといいでしょう。

 

認知行動療法とは、誤った思考のクセ(認知)を修正したり、悪い生活習慣(行動)を改善したりすることで、不安な気持ちやネガティブな感情がふくらまないようにする精神療法です。

 

不眠に悩む人ほど、眠くないうちから布団に入って寝ようとするので、いつまでも「眠れない」と感じます。自分でも気づかぬうちに、快眠を遠ざけるような行動をとっているのです。

 

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

そうした人の多くはもともと繊細で、気持ちの切り替えが得意ではない傾向にあります。

 

そこで専門のセラピストの指導のもと、睡眠の正しい知識を学んで理解を深めたうえで(認知)、行動パターンを改善する方法を探っていきます。寝床が「眠れず苦しいところ」ではなく、「よく眠れて心地よい空間」と感じられるように、認知と行動を変えていくのです。

 

認知行動療法には薬のような即効性はありませんが、副作用や依存性の心配がないので安心して治療にのぞめます。しかし、日本ではまだ専門のセラピストが少なく、保険適用外でもあり、あまり普及していないのが現状です。

 

 

 

西野 精治

スタンフォード大学 医学部精神科教授・医学博士・医師

スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所(SCNL)所長

日本睡眠学会専門医、米国睡眠学会誌、「SLEEP」編集委員

日本睡眠学会誌、「Biological Rhythm and Sleep」編集委員

 

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眠れなくなるほど面白い睡眠の話

眠れなくなるほど面白い睡眠の話

西野 精治(監修)

日本文芸社

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