節税目的の資産運用で大失敗…実は「節税しようがない」所得額

日本では所得が多くなるほど税負担が重くなることは、もはや言うまでもありません。高収入職業の代表といえば「医師」ですが、平均年収が裕に1000万円を超えていても「いくら稼いでも税金に取られる」と嘆きます。そんな先輩医師の声をよく聞くせいか、研修医のうちから節税のために資産運用を始めるケースが珍しくありません。ところが、その「節税目的の資産運用」で想像以上の損失を抱えてしまう研修医も少なくないのです。そもそも、実はある程度の所得金額までは「節税のしようがない」ということをご存じでしょうか。

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「節税目的の資産運用」で失敗続出…確定申告で大慌て

公認会計士である私が研修医の方々と接する機会は、おもに確定申告の手続きにおいてです。そこでまずは、その際に受けた資産運用に関するご相談の内容からお話しします。

 

いちばん多いのは「運用の失敗をどうすれば取り返せるのか」ということです。それまでも薄々「損をしている」と感じていたものの、確定申告のときに実際に計算すると考えていたよりも赤字額が大きくて驚くようです。

 

資産運用と一言でいっても種類は株式、投資信託、FX、不動産、太陽光発電など多種多様です。ただ、このように運用に失敗する方の多くは、どの運用先であってもいいところしか理解していない傾向が強いように感じます。

 

例えば前年の利回りが10%の投資信託を買ったとして、今年も10%になるとは限りません。それどころか元本割れの可能性もあります。また、つい最近までアパート投資がブームでしたが、100%満室を維持できるとは誰にもいえません。それなのにいい成績のときだけを見て購入し、確定申告のときに「こんなはずではなかった」と慌てるのです。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

特に自分の収入に対して多額の運用をしている人ほど慌てます。おそらく研修医の皆さんの年収は600万円前後、多くても1000万円には届かないのではないでしょうか。その年収で数千万円を費やした投資のマイナスは耐えられないはずです。

 

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「損しない挽回策」も「手放しで儲かる話」もない

そこで多くの場合で私が最初に提案するのが赤字資産の売却、いわゆる「損切り」です。そのまま所有して赤字額を積み上げるよりも、思い切って売却したほうが傷口が広がらずに済むからです。

 

しかしそれがなかなかできない。「損をしない方法はないでしょうか」と泣きつかれるケースも多々あります。けれども例えば下がり続ける株価をすぐに上げる方法など当然ながらありません。

 

ただし、金融機関による融資を受けた不動産投資ならやりようはあります。その一つは、より金利の低い金融機関へ借り換えることでキャッシュフローを改善させる方法です。この場合、私たちから金融機関を紹介することもできますし、審査の際に提出する事業計画書の作成をお手伝いすることもできます。

 

とはいえ、そもそもそのような状況にならないことが一番です。ですから資産運用をするなら最初に「世の中に手放しで儲かる話はない」と肝に銘じておくべきでしょう。例えば不動産投資は比較的手間がかからないといわれていますが、仮に管理会社とサブリース契約を結んでいたとしても、その管理会社が適正に業務を行っているのか判断するにはある程度の知識が必要です。

忙しいからこそ「アドバイザー探し」に妥協は禁物

しかしながら、研修医の皆さんを見ていると資産運用の勉強をする時間はなかなかないようです。そこでお金に関して相談できる第三者のアドバイザーを見つけることをお勧めしています。それは私たちのような税理士でもFP(ファイナンシャルプランナー)でも構いません。

 

とにかく何人かに会って相性のいいと思える人を選べばいいでしょう。いくらスキルが高いアドバイザーでも相性が合わないと本音が言いづらくなるので、期待するような意見をもらえなくなってしまいます。

 

アドバイザーを探す時間は、いくら忙しくても惜しんではいけないと思います。その後の長い人生を左右する選択かもしれないからです。探す方法としては、ネットの口コミや自分と同じ種類の資産運用に興味をもつ人たちのコミュニティなどで出会った人に紹介してもらうといったことが考えられます。

 

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節税が必要になるのは、課税所得金額「900万円」以上

研修医の方が資産運用を始める動機として節税を挙げるケースがあります。年収数千万円を稼ぐ先輩医師の「いくら稼いでも半分は税金に取られる」といった嘆きを聞いているからでしょう。

 

しかし、節税を考えるのは年収から各控除を差し引いた課税所得金額が900万円を超えてからでいいと思います。確かに課税所得が1800万円を超えると税率は所得税と住民税を合わせて50%(最高55%)となります【図表】。けれども900万円未満の場合の税率(所得税+住民税)は33%です。このくらいの税率では、まだ節税のやりようはあまりありません。

 

【図表】税率による個人所有と法人所有の有利・不利

 

また法人の実効税率は、所得金額が800万円を超えても33.59%です。一方で個人の課税所得金額が900万円以上になると税率(所得税+住民税)は、43%になりますから法人化すれば節税効果が得られます。ただし、法人化には会社設立のコストなどもかかりますので、税理士と相談しながらタイミングを見定めるべきでしょう。

 

 

曾我 隆二

SKIP税理士法人 代表社員

 

 

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年収1500万円前後だが…勤務医が「資産10億円」になれるワケ

株式会社トライブホールディングス 代表取締役社長

1979年生まれ。東京の不動産投資会社にて、土地売買からアパート、マンション、ビル建設までを幅広く手掛ける。自らが考える不動産価値と収益を最大化する不動産物件を実現するため、2010年に㈱トライブを共同で設立。翌2011年、同社代表取締役就任。これからの高齢化社会では、不動産と医療は密接に連携すべきという持論の下、高収益と高付加価値を同時に実現する独自の不動産物件を多数手掛ける。自ら沖縄の医療法人にも助力し、倒産しかけた医療施設の再建に乗り出し、再生させた。また、新たな医療法人の立ち上げにも参画し、地域医療の活性化に努めている。著書に『なぜ医者は不動産投資に向いているのか?』『資産10億円を実現する 医師のための収益物件活用術』(いずれも幻冬舎)がある。

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著者紹介

SKIP税理士法人 代表社員 公認会計士

大学卒業後、野村證券株式会社(3年間)、株式会社リクルート(4年半)を経て、公認会計士の世界へ。

中央クーパース・アンド・ライブランド・アドバイザーズ株式会社(中央監査法人グループ)勤務を経て、2003年6月公認会計士曾我事務所として独立開業。

2012年1月SKIP税理士法人に組織変更し、代表社員に就任。2019年4月SKIP監査法人を設立し代表社員に就任。

著者紹介

連載研修医のための金融リテラシー講座

※本連載は、大山一也氏の著書『研修医のための金融リテラシー講座』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

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大山 一也

幻冬舎メディアコンサルティング

「医師になったらお金の心配はいらない」なんてウソ! 「医師になれば一生安泰」。世の中のほとんどの人がそう思っているはずですが、現実はブラックな職場環境や激務などによって毎日つらい思いをし、安泰と感じている研修…

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