まさかのコロナ禍「お小遣いアップ」の意外な裏側
昨年6月に発表された『2020年サラリーマンお小遣い調査』(新生銀行グループ)によると、男性会社員の毎月のお小遣い額の平均は39,419円。前年比2,672円増と、 過去5年で最も高水準になった。一方女性会社員の毎月のお小遣い額は33,854円と、2015年からほぼ横ばいが続いている。
男性会社員の1ヵ月の飲み代は前年比1,555円と大幅に減り、11,620円。女性会社員の場合は8,455円と、コロナの影響をもろに受ける結果となった。外出自粛を余儀なくされた当然の帰結といえよう。ここで1点興味深いのは、男性会社員の昼食代が増加したことだ。

男性会社員の1日の平均昼食代は、前年から30円増加し、585円となった。特に20代男性の増加率が顕著であったという。「飲み会にいけないならせめて昼ぐらいは…」といったところだろうか。
実は2019年の同調査では、1979年の調査開始以来もっとも低いお小遣い額を記録していた。コロナ禍での回復を意外と思うかもしれないが、お小遣い額が「アップした」と回答したのは、男性会社員で7.0%、女性会社員で5.4%。ごく一部のお小遣い増加が全体値に影響を及ぼしたといえよう。
では、増えた理由は何だったのだろうか。
男性会社員におけるお小遣いがアップした理由を見ていくと、「給料が上がったから」が76.1%で最も高く、「副業をはじめたから」19.3%、 「投資などを始めたから」14.8% と続く。女性社員におけるお小遣いがアップした理由を見ていくと、1位は同じく「給料が上がったから」が53.3%、続いて「生活費にかかるお金が減ったから」15.6%、「ランチにお金をかけるようになったから、かかる金額が増えたから」8.9%。男女での違いが見て取れる。
ここで気になるのは男性会社員お小遣いアップ理由の「投資などを始めたから」。実際、電車の中吊りなどで「サラリーマンが始める不動産投資」といった広告を目にした人もいるのではないだろうか?