儲かる医師、儲からない医師は「あと7年で決まる」という根拠

「医師が淘汰される時代は目の前に来ている」。そう語るのは、キャリア形成のスペシャリスト、落合宏明氏。同氏は医療・介護専門の転職サポート会社として業界最大級の会員数を抱える、株式会社メディカルキャリアの代表取締役です。医師さえ食いっぱぐれる時代となった今、医師人生の明暗を分けるのは「キャリアプランの有無」です。従来、医師はキャリアプランを立てずとも収入、キャリアともにエスカレーター式に上がっていたため、医師のキャリアプランには「手本」や「ロールモデル」が存在しません。各人に合うキャリアプランを立てるには、どうすればよいのでしょうか。

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「収入もキャリアも全然上がらない」時代はもはや目前

私たちの会社では、医師をはじめとする医療従事者の転職支援をメインに、転居や開業、資産運用などのサポートも行っています。会員数は医師約4万人、薬剤師約6万人を含むおよそ30万人です。

 

一言で医師といっても働き方は多岐にわたります。勤務医、開業医、介護福祉、産業医、行政、研究教育などです。そのなかでも、圧倒的に人気があるのが勤務医です(図表1、厚生労働省医政局「厚生労働科学特別研究」より)。その理由の多くは、安定して高収入が得られるからでしょう。

 

(出典)H29厚生労働科学特別研究 「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」研究班 厚生労働省医政局
[図表1]医師のキャリア意識(人気度) (出典)H29厚生労働科学特別研究
「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」研究班 厚生労働省医政局

 

また、私たちは毎日数多くのドクターとお会いしていますが、そのほぼすべての方々が「自分の収入は今後も上がり続ける」と信じています。

 

しかし、残念ながらそれは間違っているとしかいえません。その根拠として、同じ医療従事者の薬剤師の需給予測をご確認いただきたいと思います。薬剤師もドクターと同じように「食いっぱぐれ」のない資格として人気があります。実際に私たちの会員も以前は「面接さえすれば入社できた」という状況でした。

 

ところがその人気ゆえに近年は人数が増え続け、2018年の時点で需要総数が37万人に対して37.2万人になってしまいました(厚生労働省「厚生労働行政推進調査事業費補助金」資料)。つまり2000人余ってしまったのです。そのため現在はなかなか内定が取れない状態です。しかもこの供給が需要を上回る差は、今後も広がっていくと予測されています。

 

実はこれとまったく同じ状態が、医師の就職市場でも目の前まで来ているのです。「医師の需給推計について」(厚生労働省医師需給分科会)によると医師の需給バランスは、労働時間を週60時間程度に制限しても2028年には均衡する約35万人に達し、その後は供給が大きく上回っていきます(図表2)。

 

 (出典)厚生労働省 医師需給分科会「医師の需給推計について」より
[図表2]医師の需給推計(出典)厚生労働省 医師需給分科会「医師の需給推計について」より

 

この医師が余るという現象は、これからの人口減や医療分野におけるAI技術の普及などによって避けては通れないでしょう。

 

2028年といえば7年後。現在研修医である皆さんが「これから収入もポストもグングン上がっていく」と期待する時期です。しかし、医師が余る時代に突入すれば、当然ながら平均報酬は下がります。例えばアルバイトならば2021年の時給相場は1万円ですが、8000円、7000円と下がっていくはずです。

 

確かに今までのドクターは、収入もキャリアもエスカレーター式に上がっていきました。しかし、今後はそうならないことが、ほぼ確実でしょう。いよいよ医師が淘汰される時代が到来するからです。

「新研修医制度」世代は自律的なキャリアプランが必須

では、淘汰される側の医師にならないためには、どうすればよいのでしょうか? 答えはシンプルです。事前に淘汰されないようにキャリアプランを立て、それに沿って行動していけばいいのです。

 

この話をするとほとんどのドクターは、怪訝な表情をします。その理由は私にも理解ができます。そんな面倒なことをしなくても、先輩医師たちは経済的に豊かな暮らしをしているからです。

 

現在脂が乗っていると思われる40代以降の医師の多くは、自分自身でキャリアプランを立てる必要がありませんでした。彼らは2004年の新医師臨床研修制度施行以前に医師になっています。そのためほとんどは次のようなキャリアを歩んできました。

 

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<現在40代以降の医師のキャリア>

【医学部卒業】⇒【出身大学の医局で研修】⇒【関連病院へ出向・派遣】⇒【医局での管理職】⇒【医局での昇進or関連病院に勤務or開業】

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基本的に医局を中心としたキャリア形成となり、医局の意向によってキャリアが変化します。

 

一方2004年以降の新医師臨床研修を受けたドクターのキャリアプランは次のようになります。

 

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<2004年以降の新医師臨床研修を受けたドクター>

【医学部卒業】⇒【大学や市中病院で初期研修】⇒【大学や市中病院で後期研修】⇒【医局または関連病院に勤務or市中病院に転職】⇒【医局または関連病院に勤務or市中病院勤務orアルバイト勤務or開業orその他】

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医学部を卒業したあとは、基本的に自分でキャリアを選択することになります。要するに医師としてどのようなキャリアを歩むかは、医局の意向とは関係なくすべて自己責任で決めなければなりません。

お手本がない「キャリアプラン」をどう考えるべきか

以上のようなことから現在のほとんどの研修医は、身近に「あの先輩ドクターのようになりたい」と思えるロールモデルが存在しない状態です。また、存在したとしても今後は医師の需要が低下していくので同じような方法で同じような立場になるのは難しいでしょう。

 

つまり皆さんのキャリアプランにはお手本や正解がありません。一人ひとりが「自分はどんなドクターになりたいのか」「どんな人生を歩んでいきたいのか」「老後はどうするのか」などのライフプランを考えて明確にし、その実現のために行動を開始しなければならないのです。

 

ライフプランとは、これからの人生、つまり就職、結婚、出産、子育て、住宅の購入、定年、相続、老後をどのように実現するのか、を計画することです。

 

これらのライフステージではお金がかかります。それぞれで「どれくらいのレベルの生活をしたいのか」「その実現にはどれくらいのお金がかかるのか」「その額を稼ぐためにはどうすればいいのか」。これらを明確にするためには、当然金融リテラシーが必須となります。これがなければ「キャリアプラン=理想の働き方」も大きくズレてしまうでしょう。

 

また、キャリアを左右するものには次の5つがあります。

 

1.転職履歴

2.年齢

3.人間性・考え方

4.トレンド

5.スキル・経験

 

社会はこの5つを総合的にかんがみてあなたを判断し、キャリアが積み上がっていきます。したがって、キャリアプランを考える際は、この5つに注目しなければ本人の希望と社会のニーズにギャップが生じてしまいます。

 

この5つを自分で評価して実際にプランを立てる作業は簡単ではありません。前述のように従来のやり方が通用せず、先達もいないからです。

 

ですから医師がこれからキャリアプランを考えるなら、お金の知識も豊富な医師専門のキャリアコンサルタントを見つけることをお勧めします。医療業界に属していないキャリアコンサルタントなら第三者の目でクライアントの強みを見つけ出せるでしょう。例えばあなたには経営者としての才能もあるかもしれません。

 

また、私たちのように医師を専門とするキャリアコンサルタントは、数万人単位の医師の知見を蓄積しています。それゆえ、一人では決して思いつかなかった働き方やお金の活用方法を提案できる場合もあります。

 

 

落合 宏明氏

株式会社日本メディカルキャリア 代表取締役

 

 

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株式会社トライブホールディングス 代表取締役社長

1979年生まれ。東京の不動産投資会社にて、土地売買からアパート、マンション、ビル建設までを幅広く手掛ける。自らが考える不動産価値と収益を最大化する不動産物件を実現するため、2010年に㈱トライブを共同で設立。翌2011年、同社代表取締役就任。これからの高齢化社会では、不動産と医療は密接に連携すべきという持論の下、高収益と高付加価値を同時に実現する独自の不動産物件を多数手掛ける。自ら沖縄の医療法人にも助力し、倒産しかけた医療施設の再建に乗り出し、再生させた。また、新たな医療法人の立ち上げにも参画し、地域医療の活性化に努めている。著書に『なぜ医者は不動産投資に向いているのか?』『資産10億円を実現する 医師のための収益物件活用術』(いずれも幻冬舎)がある。

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大山 一也

幻冬舎メディアコンサルティング

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