2020年4月、新型コロナウイルスの対策として緊急事態宣言が発令された際、日本のGDP成長率は年率-20%という事態に陥りました。未曽有の事態が続く中、FOUR SEASONS ASIA INVESTMENT Pte. Ltd. のCEO・国府田茂佳氏は今後の経済について「日本人が過去に見慣れた道筋とは違うタイプの回復」になると予測します。

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最悪のGDP成長率を記録したが…

さて2020年は非常にショッキングな経済データにあふれた1年でした。特に世界的にロックダウンの発生した4~6月期には日本のGDPも年率で-20%以上という見たこともない数字が発表されました。恐らく生きているうちにはもうお目にかかれないような数字であり、見た目の上では超大不況です。

 

しかし皆さん薄々感じていらっしゃるように、この大不況「のような」状況は数字が示すほど深刻なのでしょうか。今回のショッキングな数字は各国の政府がコロナ対応の名目で経済を封鎖した結果であり、過剰な投資や過剰な借り入れの調整を伴う通常の景気サイクルとは違います。

 

調整に時間がかかる過剰が存在する場合は時間の経過がメインの解決策です。しかし、そうした過剰が基本的に存在しない中で、政府がコロナ対策のために経済活動を止めたわけです。

 

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したがって経済をどうするかは政府の一存にかかっています。運命をコントロールするカギが自然現象に近い市場経済の調整メカニズムにあるのか、それとも政府の手中にあるのか、というのは大きな違いです。

 

昨年の秋にGo Toキャンペーンで旅行や外食産業が瞬間的に急速な回復を示したのは記憶に新しいところです。もちろんコロナ対策との兼ね合いになりますが、政府に意思があればどうにかなる不況なわけです。バブルの崩壊後長らく苦しんだ、時間の経過を待つしかないようなどうにもならない自然現象に近い景気サイクルとは別物です。

景気停滞はコロナ以前から起きていた?

製造業の方などは実感しておられると思われますが、実は2020年のコロナ騒動勃発以前から世界経済は停滞していました。

 

原因は2018年から始まった当時のトランプ大統領が仕掛けた米中貿易戦争です。中国製品に関税をかけ始め米国の輸入量を制限しようともくろみ、またメード・イン・アメリカ製品を優遇しようとするものです。通信テクノロジーの分野で覇権を握りつつあったファーウェイ社の米国市場からの締め出しも発表しました。

 

このような唐突な米国の経済政策の変化を目の当たりにして楽観的にいられる経営者はどのくらいいたでしょうか? テスラ社のイーロン・マスク氏やアマゾンのジェフ・ベソス氏を除くと非常に少数でしょう。

 

突然の不透明感の中、ほとんどの経営者が投資や拡大戦略の様子見に入り、なるべく余分な在庫を持たない方針に切り替えたはずです。結果、2018年、2019年とグローバル経済の停滞は続き、インデックスの半分程度を輸出産業が占める日本株インデックスも横ばいが2年間続きました。

 

この停滞の2年間も「通常の」景気のサイクルということではなく、米国の経済政策転換が引き起こした人為的な停滞といえましょう。投資活動や在庫が抑制的に推移し、そもそも過剰が存在しない経済環境下で「そろそろ秋の大統領選に向けて貿易戦争もこれ以上のエスカレートはなさそうだ」「通信の世界では5Gも始まる」「在庫サイクル的にも底打ちのタイミング到来か」と考えられていた2020年の初頭にコロナ騒動が起きました。

 

過剰が存在しない中で世界的に経済封鎖が発生したわけです。図に表現するとこのような状況でしょうか[図表]。

 

コロナが落ち着いた時の経済の振り戻しは大きくなる
[図表]コロナが落ち着いたときの経済の振り戻しは大きくなる

 

緑のラインが、米中貿易戦争での下降局面において、本来の成長ラインに戻ってくると想定された道筋(本来の長期成長はグレーのライン)、赤がコロナで追い打ちをかけた悪化です。

 

過剰が原因でここまで悪化したならば相当に回復に時間がかかるでしょう。しかし、過剰がそもそも存在しないところにコロナ感染爆発が起き、各国政府が自らの意思で経済を封鎖しました。

 

今後想定するのは青いラインです。コロナで余計な谷があった分急激な角度の戻りを想定しています。なぜでしょうか? そんなことがありうるのでしょうか?

 

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