中山てつや氏は著書『なぜ職場では理不尽なことが起こるのか?』のなかで、職場における諸問題について語っています。当記事では、中山氏のキャリアコンサルティングとしての実務経験をもとに、日本の企業における問題点を考察していきます。

 

その後輩が他部門へ異動して間もなく、本人と話す機会があったので、新天地での近況を聞いてみました。すると、返ってきた言葉は、

 

「今度の職場には、とても満足しています」

 

そこで、もう少し詳しく聞いてみると、

 

「新しい上司は、指示も明確で、やるべきことがはっきりしていて、仕事がしやすいんです。それに、特別なことがない限り、定時で帰れるし、何といっても、あの無意味な残業がないんですよ」

 

と、言います。

 

裏返すと、前の上司の指示は、どこか曖昧で、業務の範囲が定まっておらず、おまけに、付き合い残業も多かったということでしょうか。同じ職場での経験から、このコメントはおおむね的を射ていたので、妙に納得してしまいました。

 

その後輩の新しい上司も、実はよく知っている方でしたので、後日会話する機会があった際に、彼の評判を聞いてみました。すると、その上司いわく、

 

「いやあ、彼はとても優秀で、仕事も良くできるので、彼が来てくれて、本当に助かっているんですよ」

 

新しい職場での後輩の評価は、前とは違って、とても良いものになっていました。まさに「正反対」とは、このことです。

「気持ち良く仕事ができたとき」の上司の共通点は?

もうひとつ、今度は、私が会社で、マネージャーとして仕事をしていた時のことです。

 

新しい上司に代わってしばらくしてから、ミーティングをすることになりました。

 

「前の上司からの引き継ぎによると、あなたの評価は極めて悪く、とにかく気をつけるように、とのことだったのですが、一緒に仕事をしてみると、どうしてもそのようには思えない。むしろその逆です。大いに期待していますよ」

 

前の上司の良からぬ評価は、何となく予測していたのですが、無事ご破算となりました(もし部下に明らかな落ち度があれば、反省して改善するのは当然で、これから話を進めていく上での「大前提」となることは、言うまでもありません)。

 

改めて思い返すと、いい仕事ができたときの上司との関係は極めて良好でした。加えて、間違いなく良い評価をしてもらっていました。仕事でお会いした方からも、こんな話を聞いたことがあります。

 

「そういえば、気持ち良く仕事ができたときの上司は、皆いい上司でした。本当にうまくいっていたし、昇格して昇給したのも、そういう時でした。上司に恵まれていた、と言うべきなのでしょうか」

 

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『補助金の倫理と論理』より一部を抜粋したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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