東京ドーム6個分の土地で何を…ベトナム不動産で大逆転の真相

宗吉敏彦はリーマンショックに巻き込まれ650億円の負債を抱えて倒産。いったん経済の表舞台から姿を消した。リーマンショックで地獄に堕ちた男はアジアで再起のチャンスをいかに掴んだのか。宗吉とともに躍進するアジア不動産市場の潜在力と今後の可能性を探る。本連載は前野雅弥、富山篤著『アジア不動産で大逆転「クリードの奇跡」』(プレジデント社)の一部を抜粋し、編集したものです。

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マンション販売は青田買い「事前説明会が重要になる」

宗吉敏彦率いるクリードがベトナムのプロジェクトで二人三脚を組むのは、「ホーチミン市で一番、そして10年後にはベトナムで一番のディベロッパーになる」と豪語するアンギア。買えば上がる物件——。そんな口コミ効果もあってか、アンギアは急成長し、今ではベトナム国内で有数の不動産会社である。

 

社員たちを惹きつける“挑戦する社長”サン

 

事前の準備も怠らない。これも大切だ。アンギアでは発売の1~2カ月前に販売員たちを集めて説明会を開くのだが、この場で入念に一体感を醸成する。まず説明会でアンギアがプレゼントした同じポロシャツを販売員全員に着てもらう。大規模プロジェクトの場合、販売員はアンギアだけでは人手が足りない。販売を委託する別会社も心を1つにする必要がある。同じポロシャツを着て、説明会で一緒に説明を聞く。「マンションが全部売れ、プロジェクトが完了するまで仲間だ」という印だ。

 

説明会では社長のサンが前面に立つ。売ろうとしている物件は「何にこだわっているのか」「どこが他社の物件より優れているのか」「どんな顧客にどんなふうに住んでもらいたいのか」を1日かけ徹底的に販売員たちに理解してもらう。

 

販売スタッフは同じポロシャツを着る。「マンションが全部売れ、プロジェクトが完了するまで仲間だ」という印だという。(※写真はイメージです/PIXTA)
販売スタッフは同じポロシャツを着る。「マンションが全部売れ、プロジェクトが完了するまで仲間だ」という印だという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

そして、①信用、②スピード、③改善・改良、④チームワーク、⑤深く考えること——。サンは自分が大切だと考えるこの5点に関して情熱的に語り、販売員たちを1つにまとめていく。

 

創業時からサンの右腕である副会長のグエン・チュン・ティンは「サンは常に挑戦し、学んでいく姿勢を失わない。そしてその姿が社員たちを惹きつける」と話す。

 

サンはホーチミン市経済大学を卒業、いったんは大手不動産販売会社「ニュー・アーバン・リアル・エステート・JSC」に入社、販売員として働く。

 

「どういう商品が客に受け入れられるか、どうすれば販売員たちのモチベーションが高まるかを理解した」

 

2007年にアンギアの前身となる会社にセールスマネージャーとして入社、2008年6月にこの会社の株を全株買い取りアンギアを創立した。

 

「大きなビジョンをみんなが納得できるよう語ることができる一方で、商品づくりについては細部のディテールにまでこだわる人物。日本に来ても朝から晩までモデルルームを巡って勉強している」(宗吉)

 

ベトナムのマンション販売は物件が完成する前に営業活動が始まる。日本と同じ「青田売り」。モデルルームなどはあるが、顧客は建物の外観も見られない段階で購入を決めるわけだ。だから販売員自身がマンションを徹底的に理解し、自信をもって顧客に商品を紹介できなければならない。そのため、販売員にマンションの特徴を理解してもらう事前説明会が極めて重要だ。

 

成長著しいアンギアには、出資したいというアプローチも来ているとサン。

 

「現在、欧州系大手ファンドとアジア系大手メーカーと話をしている。第三者割当増資による出資を検討している。相手の名前は言えないが、だれもが知る企業ですよ」

 

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クリードグループ 代表

1965年生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業後、伊藤忠商事に入社。不動産開発やコーポレートファイナンスに従事したのち、1996年クリードを設立。
当時の国内不動産業界で一般的でなかったDCFの概念を取り入れた不動産投資・評価にいち早く着目し事業をスタート、私募不動産ファンド・REIT運用等を手がける。
2012年からは、マレーシアを皮切りに本格的に東南アジアでの不動産投資に着手。現在、シンガポールに拠点を移し、マレーシア、カンボジア、ミャンマー、バングラデシュ、ベトナムで事業を展開している。

著者紹介

日本経済新聞 記者

東京経済部で大蔵省、自治省などを担当後、金融、エレクトロニクス、石油、ビール業界等を取材。現在は医療、不動産関連の記事を執筆。著書に『田中角栄のふろしき』(日本経済新聞出版社)がある。

著者紹介

日本経済新聞 記者

2014年よりハノイ支局長としてベトナム全般を取材。現在は日経産業新聞の海外面デスクを務める一方、外国人労働者問題、ASEANなどを取材。著書に『現地駐在記者が教える 超実践的ベトナム語入門』(アスク出版)がある。

著者紹介

連載リーマンの敗者、沸騰するアジアの不動産市場で奇跡の復活

アジア不動産で大逆転「クリードの奇跡」

アジア不動産で大逆転「クリードの奇跡」

宗吉 敏彦 前野 雅弥 前野 雅弥

プレジデント社

クリードの奇跡の主人公、宗吉敏彦は、2009年1月9日、リーマン・ショックに巻き込まれ650億円の負債を抱えて倒産。いったん経済の表舞台から姿を消したものの再びアジアで復活したかと思ったら、世界的な新型コロナウイルスの…

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