色覚異常というと、色がまったく判別できない状態を想像する人が多いようです。しかし実際には「判別しづらい」というケースがほとんどで、自覚なく生活を送っていることも珍しくありません。実は、気づかれないだけで、ほぼ全員が加齢に伴い色覚異常になることをご存じでしょうか。

高齢者には「コンロの炎が小さく見えている」衝撃事実

なぜ高齢者に着衣着火が頻出するのでしょう。今までは、高齢になることによる、運動能力の低下が原因と考えられてきましたが、加齢による色覚異常が一因となっていることも考えられます。実はガスコンロの炎というのは、見える大きさが年代によって違ってくるのです(【⇒「見え方の違い」シミュレーションを見る②】)。

 

20代では青白い炎が6センチほど立ちのぼって見えるものが、60代になるとそれが4センチほどしか立ちのぼっていないように見えてしまいます。

 

炎は同じように出ているのですが、最も高熱である色温度の高い色(青色の炎の先端)が、高齢者には「見えない」のです。つまり、炎が実際よりも小さく見えているということになります。これが、加齢による色覚異常の端的な例です。

 

そのため自分では炎との距離を適切にとっているつもりであっても、炎の先端が見えないことで結果的に着衣着火が起こってしまうのです。火災になれば、自分の命はもちろん、家族や近所の住人の命まで危険にさらしてしまうことになります。

 

 

※本連載は市川一夫氏の著書『知られざる色覚異常の真実』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

知られざる色覚異常の真実 改訂版

知られざる色覚異常の真実 改訂版

市川 一夫

幻冬舎メディアコンサルティング

先天の色覚異常も、加齢による色覚異常も、この一冊で正しい知識と対策法を身につけましょう! 普段私たちが何気なく見ている「色」ですが、実は人によってとらえ方が違います。なかには、生まれつき特定の色を判別しづらい…

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