日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は「単身高齢者の暮らし」について焦点をあてていきます。

介護が必要になったとき、おひとり様は…

総務省『2020年家計調査(家計収支編)』によると、 独身男性の「平均給与」は36万8034円で、「34歳以下」平均は35万7293円、「35~59歳」平均は41万7110円。額面35万円だとすると手取り額は27万5000円ほど、額面41万円ほどだと手取り額は32万円ほどとなります。「消費支出」の平均は16万6955円で、「34歳以下」は15万2325円、「35~59歳」では17万5279円です。「黒字額」は「34歳以下」で14万8052円、「35~59歳」で16万1242円で、月15万円程度は残るので、貯蓄にまわしていけるイメージです。

 

もし40代からコンスタントに月15万ずつ貯蓄していけば、65歳では4500万円。毎月、若干の赤字が発生していたとしても、これだけの貯蓄があれば安心でしょうか。

 

それよりも、気になるのは自身の介護。健康なうちはいいものの、もし不自由になったら……そのことを考え、独身であることにリスクを感じる人も多いもの。健康寿命は、2016年時点で、男性が72.14歳、女性が74.79歳。定年後、10年以内に介護が必要になるかもしれない、と心得ておくといいでしょう。

 

現在の介護保険制度では、介護が必要である場合、市町村の窓口に申請すると、自宅への訪問調査を経て、介護認定審査会が要介護1~5、要支援1~2の計7段階のどこに該当するか判定。認定を受けると、その度合いに応じて国の介護保険サービスが利用できます。

 

介護保険サービスの自己負担は原則サービス料の1割、一定以上の所得がある場合は所得額に応じて2~3割負担です。介護保険で利用できるサービスには、要介護1~5と認定された人が利用できるサービス(介護給付)と、要支援1~2と認定された方が利用できるサービス(予防給付)があります。

 

仮に、要介護5で介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)に入居した際の1ヵ月の自己負担額を見ていきましょう。

 

【多床室を利用した場合の目安】
施設サービス費 2万5000円
居住費 2万5200円
食費 4万2000円
日常生活費 1万円
合計 10万2200円

【ユニット型個室を利用した場合の目安】
施設サービス費 2万7500円
居住費 6万0000円
食費 4万2000円
日常生活費 1万円
合計 13万9500円

出所:厚生労働省『サービスにかかる利用料』より

 

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の平均入所期間は約4年と言われているので、多床室であれば年間約122万円、4年で約490万円、個室であれば年間約167万円、4年で約669万円、必要になるということ。これはあくまでも平均値であり、利用料金は施設やサービスによってピンキリです。「老後のもしものとき」を考えて、貯蓄のひとつの目安として考えておくと安心です。

 

結婚するのも、一人でいるのも人それぞれ。ただ将来を考えると、一人でいることに不安を覚える人も多いでしょう。その不安を払拭するためにも、計画的な資産形成が重要です。

 

 

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