同じチャートでも買う人、売る人がいる理由とは?
株価の動きを示すチャートというものは、見る人によって有利、不利はありません。ところが、同じチャートであるのに、その時点で買う人と売る人がいます。その後、株価が上昇すると、当然のことながら、買った人は儲けが出て、売った人は損が出るのですが、なぜでしょう。
材料の良い、悪いは、よほどのへそ曲がりでない限り、間違った判断を下すことはありません。業績が赤字の見通しになる場合、需給やほかの材料を考えずに、業績だけが手掛かりになっていれば、100人中100人が株価は下がると予想します。
しかし、チャートの場合は解釈が難しいパターンもありますが、多くは間違った見方をしてしまったと考えられます。
(株探より)
これだけの材料が出ると、調整しながらまた上昇するのではないか? 美人投票(自分が美人と思う人ではなく、みなが美人と思う人に投票する)に私も乗ろうと考えたりもするでしょう。
たしかに、このチャートを見ると6000円台もあるかもしれませんし、投資家心理的にも安心して「買い」を入れやすいですね。
ところが、その後、つるべ落としのように、下落していったのです。
材料は良くても、チャートは…。この本では、詳しくチャート分析までしませんが、ほぼ高値で引け下ひげを伴った2019年7月29日のローソク足が曲者(くせもの)です。一見すると、まだ上がるように見えながら、実は「首つり線」と呼ばれる、テクニカル分析上、怖れなければならない足なのです。せっかく、5886円まで上昇し、分割後の高値を更新したのにもかかわらずです。
チャートに詳しい人は、ここでは買いを見送り、むしろ売りを考えたことでしょう。実際、チャートの理論通り下げてしまいました。ではここで、カラ売りをしていたらどうなっていたでしょうか?
●カラ売りを仕掛けていたら…
分割後の安値3958円(2019年10月25日時点)
5886円-3958円=1928円
下がった分、1928円の儲けですね。
雨宮京子
雨宮総研 代表
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