日経平均株価の上値が重い展開が続いている。高値を更新した2月以降、2万9000円から3万円を中心に推移している。関西圏を中心にコロナの感染拡大が続いています。緊急事態宣言の再々発令も懸念されています。株価はどう動くのか。「株のお姉さん」として親しまれる雨宮京子氏が株価が下落相場でもあなたの資産を守り、逆に増やすという「株の売り方」の極意を明らかにします。本連載は雨宮京子著『世界一わかりやすい株の売り方』(フォレスト出版)より抜粋し、再編集したものです。

「売り」のタイミングは「買い」の100倍難しい理由

現物取引の「買い」でも、信用取引の「買い」の場合でも同じことが言えますが、潤沢な資金力さえあれば好きなだけ買うことができます。それは、日本の株に限らず、どの国の市場でも相場が続く限り、いつでもどんなタイミングでも買うことができます。

 

そこで、お聞きします。あなたはどんなタイミングで「買い」の注文を入れていますか?

 

(1)上昇トレンドの途中を順張りで買う

(2)下降トレンドにある時の押し目、もしくは底打ちしたあたりを買う

(3)ボックス圏の上下のトレンド内の下値を買う

 

(1)~(3)で人によって答えが違うと思います。ちなみに、この質問について、どれかが正解ということはありません。すべて正解で、この中でどのタイミングでも「買い」注文を入れられます。少しでも株をかじったことがある人なら、それを実行できるかどうかは別としても(人気が過熱した銘柄をつい買ってしまうこともあるでしょう)、これらの買いのタイミングは感覚的につかめていると思います。

 

ところが、売りの場合は同じようにできるかどうか疑問です。「売り」注文はどこで入れたらいいのか迷う人が少なくありません。単純に「買い」のタイミングの逆とはいかないからです。

 

たとえば、「上昇トレンドの一番高いところで売りたい!ここが天井だ」と思って少し高めの指値を入れたら約定(注文した売買取引が成立すること)してしまい、その後、ぐんぐん上昇してしまうケースなどです。売ってしまったところからさらに上がり、むしろ、そこから「買い乗せ(増し)」したほうが儲かったという経験をした人もいるでしょう。

 

また、下降トレンドの途中で、下落して含み損が耐え切れずに(もっと下がるかもしれないと思い)、覚悟を決めて思い切ってロスカット(損切り)したら、そこがどんピシャリ大底だったということもよくあること。トレンド転換の見極めが重要なのですが、それは相当のベテランの投資家であってもつかむことが難しいのです。

 

考えてみれば、買ったあとに上昇、利益を確定するタイミングを探るのは難しいのですから、そのタイミングは同時にカラ売りのタイミングになるわけですから、難しいのは当然。ベストな状態で「売り」はなかなかできません。

 

そこから、プロの投資家は言います。「売り時」は「買い時」の100倍難しいと…。

 

 

雨宮京子
雨宮総研 代表 

 

 

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