外国株を取り扱うネット証券が増え、米国株投資のハードルが下がっています。米国株には日本株にはない魅力が数多くあり、投資対象の一つとしても有効です。今回は「米国株」の値動きの季節性を紹介し、その特性を活かして何月に買って何月に売るパフォーマンスが最もよいかを解説します。※本連載は、菊地正俊氏の著書『No.1ストラテジストが教える 米国株投資の儲け方と発想法』(日本実業出版社)より一部を抜粋・再編集したものです。

米国株価指数は「連続上昇・下落」の期間が長い

1971年以降のデータでニューヨークダウとS&P500の月次変化率で、連続上昇期間が最も長かったのは2017年4月〜2018年1月の10ヵ月連続の上昇です。トランプ大統領(当時)の減税などを背景に、持続的な株高が続きました。トランプ大統領が株高は自身の経済政策の成果だと誇るのも頷けます。

 

ナスダック指数は2017年6月に小幅下落したものの、その前後にそれぞれ7ヵ月連続で上昇しました。次いで連続上昇期間が長かったのが、クリントン政権下の1994年12月〜1995年7月の8ヵ月連続でした。

 

逆に、ニューヨークダウの連続下落期間が長かったのは2008年9月〜2009年2月のリーマンショック時の6ヵ月連続でした。この間、S&P500とナスダック指数は2008年12月に小幅反発したので、連続下落期間にはなりませんでした。1981年4〜9月のボルカーFRB議長による金融引き締め期にもニューヨークダウとS&P500が6ヵ月連続で下落しました。

 

1980年以降の週次データのS&P500の連続上昇期間が最も長かったのが1985年10月4日〜12月20日で、レーガン政権下で財政赤字削減期待と金利低下を背景に、持続的に上昇しました。

 

ニューヨークダウは1995年3月10日〜5月12日の10週連続の上昇が最長で、クリントン政権下でメキシコ情勢の安定やG7のドル支援決定期待等を受けて上昇しました。ナスダック指数は1985年、1989年、1999年に11週連続の上昇が3回あります。

 

逆に連続下落期間はS&P500は2001年2月2日〜3月23日の8週連続で、ITバブルの崩壊期間でした。ニューヨークダウとナスダック指数の最長連続下落期間は7週連続で2001年と1980年2月15日〜3月28日の2回あります。後者は当時有名な投機家・石油会社経営者だったバンカー・ハント氏による銀投機失敗などが原因でした。

 

菊地 正俊

みずほ証券エクイティ調査部 チーフ株式ストラテジスト

 

 

【関連記事】

税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ

 

親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

「儲かるなら自分がやれば?」と投資セミナーで質問すると

No.1ストラテジストが教える米国株投資の儲け方と発想法

No.1ストラテジストが教える米国株投資の儲け方と発想法

菊地 正俊

日本実業出版社

絶好調の米国株市場には、Amazon、グーグルなど日本人もよく知るハイテク企業に加えて、ビデオ会議システムのZoomなどの急成長企業の存在があります。 そうした「日本株より面白くて儲けやすい」米国株投資に関する解説書の決…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧