道に迷う、トイレから出られない…認知症患者の日常に潜む恐怖

認知症患者にとって、勝手がわからない「初めての場所」は大変なストレスになります。引っ越しなどが引き金となって症状が進んでしまうのは、それが理由の一つだとも考えられます。在宅医である筆者が、自身の両親の介護や看取りの経験を交えながら、自宅で介護をする家族が抱える問題や悩みを、どのように解決したのかを紹介します。

ときに「過保護な世話」は、高齢者の害悪になることも

一つ、私が両親の、特に父の介護をしていたときに気をつけていたことがあります。それは、肉親が病気になったり、あるいは年齢による衰弱が見られたりしたとき、単に「年齢」だけで判断してはいけないということです。

 

「過保護」な世話は、高齢者にとってはむしろ害悪になってしまうことがあるのです。

 

身体の頑健さ、そして年とともに見られる衰えは個人差の大きいものです。100歳を過ぎても自分の足ですたすた歩ける人もいれば、70代で車椅子に頼らなくてはならない人もいます。それまでの生活習慣、食生活や労働、精神の強弱などによって異なるので、一概に年齢だけで判断することは避けたほうがいいと思っていました。

 

先述したように、父の場合は身体は元気でしたが、認知症のため外出することが困難なところもありました。ただ、そうして家のなかに閉じこもっていたり、家族である私が外に出すのをためらったりすると、気分が沈み症状はどんどん進行していきます。身体もどんどん動かなくなっていきます。

 

若いころから身体を使って仕事をしてきた人は、だいたい年を取っても元気です。昔話にあるように、かつては「おじいさんは山に柴刈りに、おばあさんは川に洗濯に」行っていたのです。

 

私はよく患者さんに「あなたは山に柴刈りに行っていますか」と尋ねます。「おじいさん、おばあさんでも山や川まで歩いて行ったんですよ。ですから、近所への買い物ぐらいは行ってくださいね」と。

 

周りの人たちも、自分でできることは、できるだけ自分でやってもらうようにしたほうがいいのです。本人にやる気があって、自発的に「やりたい」と言うのなら、多少危なく見えたとしてもやってもらうほうが元気でいられます。

 

田舎のおじいさんが畑仕事をしたり、おばあさんがご家族の炊事や洗濯をしたりすることで元気を保ち、長生きをしている例はいくらでも見かけられます。

 

人間の身体は動くことが当たり前というふうにできているため、動かないでいると錆びついてしまい、動けない身体になってしまうのです。

 

多くの人は自分から「もう年だから」と思ってしまい、動かなくなって、身体を錆びつかせてしまいます。そうなると、ますます動けなくなり、動くことが億劫になってしまいます。介護するご家族のためにも、心も身体も若くいることが大切でしょう。

 

 

佐野 徹明

医療法人さの内科医院院長

 

 

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医療法人さの内科医院院長 

1994年に近畿大学医学部を卒業し、近畿大学医学部附属病院(現・近畿大学病院)第3内科(血液・腎臓・膠原病内科)で研修を行い、大学院を修了。

2001年に国立大阪病院(現・国立病院機構大阪医療センター)総合内科に勤務したのち、2007年から近畿大学医学部附属病院血液内科で講師を務める。2009年にさの内科医院を開業し現在に至る。

自身も一人で両親を介護で看取った経験があり、患者や介護に悩む家族の希望を第一に考えた治療方針を提案している。

著者紹介

連載48歳、独身・医師 在宅介護で親を看取る

48歳、独身・医師 在宅介護で親を看取る

48歳、独身・医師 在宅介護で親を看取る

佐野 徹明

幻冬舎メディアコンサルティング

開業医である父が突然倒れた。父の診療所を継ぎ、町の在宅医としてそして家では介護者として終末期の両親と向き合った7年間。一人で両親を介護し看取った医師による記録。

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