負債650億円から復活…コロナでアジア不動産のビッグチャンス

宗吉敏彦はリーマンショックに巻き込まれ650億円の負債を抱えて倒産。いったん経済の表舞台から姿を消した。リーマンショックで地獄に堕ちた男はアジアで再起のチャンスをいかに掴んだのか。宗吉とともに躍進するアジア不動産市場の潜在力と今後の可能性を探る。本連載は前野雅弥、富山篤著『アジア不動産で大逆転「クリードの奇跡」』(プレジデント社)の一部を抜粋し、編集したものです。

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「今度こそ、本当に乗ってやる、今度こそ」

華僑のスタイルでアジアを飛び回る

 

新型コロナウイルスで動乱が始まった2020年春。宗吉敏彦(むねよしとしひこ)は久しぶりに日本で桜の季節を過ごした。シンガポールに拠点を移した宗吉にとって、街が淡い桃色に染まる風景を見るのはどこか懐かしい。かといって特別の感慨が宗吉に沸き起こってきたわけでもない。シンガポールにいても「どうせ、することがない」。ただ、それだけだった。

 

1990年代のバブル崩壊、2008年のリーマン・ショック……。不動産マーケットの激動期はこれまでの宗吉の仕事人生で2度あった。1度目のバブル崩壊は宗吉に味方した。巷にあふれた不良債権の山は、ほとんどの日本人が手がけたことがなかった不動産の価値をその期待収益から割り出す新たなビジネスを宗吉に提供、これがクリード発足の起爆剤となった。2度目のリーマン・ショックはその逆。新興不動産会社への信頼を根こそぎ揺るがし、成長軌道に乗りかけていた会社をまるごとのみ込んでしまった。

 

そして今度の動乱。3度目だ。吉か凶か。「今度こそ、本当に乗ってやる、今度こそ」。この春の誕生日で55歳になった宗吉。まだまだ枯れる気配はない。

 

1990年代のバブル崩壊、2008年のリーマン・ショック、2020年の新型コロナ…。今度の動乱は吉か凶か。(※写真はイメージです/PIXTA)
1990年代のバブル崩壊、2008年のリーマン・ショック、2020年の新型コロナ…。今度の動乱は吉か凶か。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

世界は蠢き始めている。ビッグチャンス──。動乱はすべてをリセットする。固定化しつつあった秩序をぶち壊す。弱者やこれから成り上がろうとする者たちが這い上がる梯子が天から降りてくる。

 

それはマネーの動きが証明していた。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が「パンデミック(世界的な大流行)とみなせる」と表明すると、1カ月もしないうちに主要20カ国・地域(G20)は新型コロナウイルス危機の経済対策として計5兆ドル(約550兆円)を拠出することを表明、米国も過去最大の2兆ドル(約220兆円)規模の景気刺激策法案に署名し、法律を成立させた。日本ですらリーマン・ショックを上回る過去最大の108兆円の緊急経済対策を策定した。次から次へ。世界にマネーがあふれ出てきている。

 

コロナが一段落すればこうして市場(マーケット)に拠出されたマネーが暴れ出す。しかも過去最大規模の膨大なマネーが。うねるマネーの波頭を捉えるために俺は何でもやる。そのためには世界中のどこにだって俺は行く。宗吉はそう思っていた。

 

「お前、本当は日本人じゃないな。華僑だろう」

 

最近、宗吉は取引相手の華僑ビジネスマンからそう言われることがある。自分でも「確かにそう見えるかもしれない」と思う。1カ月のうちに家族がいるシンガポールで過ごすのはだいたい3分の1以下。残りはタイやベトナム、バングラデシュ、ラオス、インド、中国などアジアの国々を商用で飛び回る。

 

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クリードグループ 代表

1965年生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業後、伊藤忠商事に入社。不動産開発やコーポレートファイナンスに従事したのち、1996年クリードを設立。
当時の国内不動産業界で一般的でなかったDCFの概念を取り入れた不動産投資・評価にいち早く着目し事業をスタート、私募不動産ファンド・REIT運用等を手がける。
2012年からは、マレーシアを皮切りに本格的に東南アジアでの不動産投資に着手。現在、シンガポールに拠点を移し、マレーシア、カンボジア、ミャンマー、バングラデシュ、ベトナムで事業を展開している。

著者紹介

日本経済新聞 記者

東京経済部で大蔵省、自治省などを担当後、金融、エレクトロニクス、石油、ビール業界等を取材。現在は医療、不動産関連の記事を執筆。著書に『田中角栄のふろしき』(日本経済新聞出版社)がある。

著者紹介

日本経済新聞 記者

2014年よりハノイ支局長としてベトナム全般を取材。現在は日経産業新聞の海外面デスクを務める一方、外国人労働者問題、ASEANなどを取材。著書に『現地駐在記者が教える 超実践的ベトナム語入門』(アスク出版)がある。

著者紹介

連載リーマンの敗者、沸騰するアジアの不動産市場で奇跡の復活

アジア不動産で大逆転「クリードの奇跡」

アジア不動産で大逆転「クリードの奇跡」

宗吉 敏彦 前野 雅弥 前野 雅弥

プレジデント社

クリードの奇跡の主人公、宗吉敏彦は、2009年1月9日、リーマン・ショックに巻き込まれ650億円の負債を抱えて倒産。いったん経済の表舞台から姿を消したものの再びアジアで復活したかと思ったら、世界的な新型コロナウイルスの…

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