予備校の売りの一つに有名大学出身や有名大学院の学生というものがあります。しかし、多くの有名大学出身者や大学院生は教えることのプロというわけではありません。医学部専門予備校・TMPS医学館代表取締役の長澤潔志氏が、カリスマ講師と普通の大学院生講師の違いについて解説します。

どこの予備校でも一流講師陣

ただ、雇う側の予備校は、院卒というだけで採用します。なぜなら”売り”になるからです。訓練などは一切しません。あるのはテキストのマニュアル、つまり解答だけです。

 

その点を皆さん、よく分かっていないのです。いい大学院を出ていれば、素晴らしい講師=先生だと思ってしまう。そんなことはありません。その多くは、答えが用意されていなければ不安で教えられないような講師たちです。しかも、用意された授業しかできないから、授業の幅がない。するとどうなるか、応用問題に強い人間を育てることができないわけです。

 

確かにカリスマと呼ばれる講師はいます。しかし、当然のことながら一握りです。彼らは時給1万円から2万円を取ります。

 

しかし、通常、大手予備校で教えている講師の時給は3000円から6000円です。中には1000円という大学院生や大学生も交じっています。

 

講師の時給は、その能力に正比例します。

時給の差はどこから生まれるのか

試験には参考書や教科書に書かれていることは出ません。つまり直球勝負はほとんどないのです。特に、「ここは大事」とアンダーラインが引かれているところからは出題されません。それは、ここは頭に入れておかなくてはいけないという意味でのラインなのです。

 

したがって、勝負はそこから少しだけずれたところ。つまり勝負球は変化球にできます。私も医学部の入試問題作成を担当していたので分かります。その部分は、一流の講師の無駄話に思える会話の中に含まれているものなのです。

 

邪道に思える部分が試験では王道に変わります。脱線しない講師の授業はおもしろくないだけでなく、ためにならないのです。そこがいい講師と悪い講師の境目です。

 

参考書をいくら読んでも、縦のつながりは分かっても、横の広がりが見えてこない。そこを補うのが講師なのです。

 

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医学部受験の闇とカネ

医学部受験の闇とカネ

長澤 潔志

幻冬舎メディアコンサルティング

講師歴30年の医学部専門予備校代表の長澤潔志氏が、実体験をもとに、合格率を偽って、「授業料を挙げる予備校」、「コネとカネがなければ合格できない推薦枠を設ける大学」、「指導力不足で受験生を浪人に導く高校」など、さま…

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