ある日突然、老親が緊急搬送で入院という事態が起こります。介護は毎日のことなので、使命感だけでは長続きはしません。10年以上、仕事をしながら父母の遠距離介護を続けてきた在宅介護のエキスパートは、「介護する人が幸せでなければ、介護される人も幸せにはならない」と訴えます。入院や介護に備え、知っておきたい制度やお金の話から、役立つ情報、具体的なケア方法までを明らかにします。本連載は渋澤和世著『親が倒れたら、まず読む本 入院・介護・認知症…』(プレジデント社)から抜粋し、再編集したものです。

相談内容は事前にまとめておくと安心!

地域包括支援センターで相談できること

 

●総合相談・支援に関すること


・ 福祉サービスの紹介、介護保険制度の説明、介護保険申請の手伝い
・ 認知症に関しての相談、福祉用具の紹介や使い方の助言、など

 

●権利擁護に関すること


・ 高齢者虐待や消費者被害(悪徳商法)の対応支援
・成年後見制度の利用に関する援助、など

 

●介護予防に関すること


・ 要支援1、2と認定、または介護予防・日常生活支援事業の対象の方へのケアプラン作成
・健康維持のアドバイス、など

 

●地域の連携に関すること


・ 町内会、自治会、民生委員、医療機関など地域の連携と協力体制づくり
・ 地域で活動するボランティア団体への活動支援、など

 

地域包括支援センターに行く前に現在の状況を整理しておく

 

●相談に来た理由を整理する

 

Q1 困りごとは何か

 

独居の親に認知症の疑いが出てきた
入院中で退院後、介護が必要になりそうだが、介護認定を受けていない、など

 

Q2 どうしてほしいのか 

 

介護保険を申請したい 
介護サービスを使いたい( ケアマネージャーの紹介)、など

 

●親とあなたの状況を整理する

 

Q1 介護保険認定は受けているのか

 

・受けていない
・受けている場合→要介護度はいくつか

 

Q2 親の状況

 

・入院中 家にいる
・ 自宅内はひとりで移動できているのか (手すりは? 段差は? 浴槽は?)
・ 歩行はどうか (杖や歩行器があれば歩けるのか 車いすか 寝たきりか)
・ 服薬はどうか (自分で飲めるのか 管理はできるのか)
・ 入浴はできているのか ひとりでできるのか
・ 日常生活はどうか 買い物、料理、洗濯、掃除はひとりでできるのか 段取りはどうか

 

Q3 子ども世帯の状況 ※主に介護に関わる人の情報

 

・ 主たる介護者、キーパーソンなど介護の窓口は誰か
・ 同居 別居→遠距離か近距離か(時間にしてどのくらいかかるのか)
・ 働いていない いる(正社員、パート 労働環境など)
・ 介護にどのくらい関われるのか(遠距離で難しい、仕事の時間以外は可能、土日は可能など)

 

渋澤 和世
在宅介護エキスパート協会 代表

 

【関連記事】

税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ

 

親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

「儲かるなら自分がやれば?」と投資セミナーで質問すると

親が倒れたら、まず読む本 入院・介護・認知症…

親が倒れたら、まず読む本 入院・介護・認知症…

渋澤 和世

プレジデント社

高齢化が進む日本では現在、介護ストレスによる介護疲れが大きな問題だ。そこで本書では、仕事や育児との両立を前提に、「完璧な介護」ではなく「頑張りすぎない介護」を提案する。 正社員としてフルタイムで働きながら、10年…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧