経営困難な企業を再生できるかどうかは、企業の置かれた状況はもちろん、経営者自身の素質に関係しています。今回は経営者を5タイプに分けて、よりよく企業再生へ導く方法を考えていきます。※本連載では、企業再生のスペシャリストである坂本利秋氏が、中小企業が経営難を乗り切る方法を解説していきます。

企業再生が難しい経営者のタイプとその理由

筆者は企業再生の講義を行っているのですが、そこでいつも受講生にこう質問します。

 

「経営者のタイプだけに着目して再生できそう、再生できない、どちらともいえないに分類してください」

 

 

再生できそうな企業は、いつも満場一致で「現実型」です。

 

現実を冷静に分析できており、さらに再生意欲も十分です。不足しているのは再生方法に関する知識と経験だけです。不足分を筆者のような外部にて補うことで、かなり再生確率が高まることがわかると思います。

 

再生できないは、どうでしょう? これは意見が分かれますが、筆者の回答は、「他責型」の一択です。

 

外からは見事にV字回復を実現したように見える企業でも、内部では社員の謀反、仕入先の撤退懸念等でヤバイ場面が必ずあるものです。他責型の経営者は、少しストレスのかかる場面になると、とたんに責任転換し逃げます。

 

再生の主役は経営者ですから、主役不在の舞台は成立しません。原因を他に求めるのはストレスから身を守る人の防衛本能なのかもしれませんが、再生では致命的と言えます。

 

残った自責型、降参型、虚勢型の経営者はどうでしょうか。講座の中では再生できそうと回答していますが、どちらともいえないに分類しても良いでしょう。3タイプともに冷静になって頂くことができれば何も問題はありません。

 

自責型へは「経営失敗は変えることのできない過去の事です。今後については社長次第で変わりますし、その方法もあります。」と伝え冷静になってもらいます。

 

残る降参型と虚勢型は実は同タイプです。破綻不可避と思っている中で、正直に吐露するのが降参型で、見栄を張り続けたいのが虚勢型です。いわば、表現方法の違いだけです。

 

2タイプともに、そもそも破綻不可避と思い込んでいるのが原因ですから「いやいや、社長。十分に再生可能ですよ」と伝えさえすればよいのです。

 

冷静になりさえすれば、本来の優秀で力強い経営者がよみがえり、再生への戦闘態勢が整います。経営者のなかで、もしも自分は他責型だなと思ったのならば、今からでも遅くはありません、ぜひ、変わってください。

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