これまで日本の投資家の多くは、明確な目標を持たず資産運用を行っていました。しかし、インベスコ・アセット・マネジメント株式会社 グローバル資産形成研究所は「短期の値動きに振り回されず、じっくりと投資を続けるためにも、長期の利回り目標を定めるべき」だと述べています。今回は、資産運用においての「長期の利回り」について見ていきましょう。

 

日本の一人当たりGDPは、過去20年でほぼ横ばいでしたが、世界の同数値は年平均約4%で成長しました。

 

20年前、日本人の生活水準は世界の平均の約6.1倍でしたが、その差は最近(2018年)の約3.5倍へと、大きく縮まってきました。日本と世界の成長率の差が、長期にわたって個人的な経済の豊かさに大きな変化をもたらしているのです。

 

過去から現在まで、日本人の金融資産の多くは預貯金で占められ、2000年以降、定期預金の金利が0.1%以下の水準で推移してきたこともあり、日本の個人金融資産の利回りは1%未満と非常に低い水準でした。

 

しかし世界への投資は金融資産の利回りを高めることになると考えられていました。

 

というのも過去20年間、世界株式指数と世界債券指数の年平均利回りは、それぞれ+4.9%と+3.7%であり、世界の一人当たりGDP成長率の4%と同等かやや上回る実績を残しています。

無理のない目標設定と継続的な海外への分散投資が重要

私たちにとって重要なのはこれから先の未来です。20年後、2040年までの世界の一人当りGDP成長率は、過去と同水準である、約4~5%程度の成長が継続することが見込まれます。その成長を金融投資に取り入れればそれに比例して日本経済の成長に繋がるでしょう。

 

日本の個人金融資産は経済規模(GDP)の3倍以上であり、資産運用で増えたお金が日本での消費などに回ることは、日本経済の成長率を大きく高め、過去は停滞していた賃金や年金の水準が高まることにも期待できるでしょう。なので、日本のような成熟した先進国では、個人が世界の成長を金融投資で取り入れ、それを収入として生活水準を維持していくことが大切なのです。

 

反対に、過去のように、日本人の金融資産の多くが利回りほぼ0%の預貯金に留まり、日本経済が低成長を続ければ、どうなってしまうでしょうか。

 

20年後、日本の一人当たりGDPが横ばい、世界が4~5%の成長を続けたとすると、現在の3.4倍ある日本と世界の人々の生活水準の差は、1.3~1.6倍まで肉薄します。それは将来必要なものを世界から購入することを難しくするでしょう。

 

広い視野を持って、長期で世界経済の一人当たり成長率という無理のない目標を設定し、海外への積極的な分散投資を続けることが大切です。

 

人生100年時代、これからも人生と社会を豊かにするための、新しいお金との付き合い方を学んでいきましょう。

 

 

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    ※本記事は、インベスコ・アセット・マネジメント株式会社のインベスコ グローバル資産形成研究所レポート「100年時代のお金について考える」Vol.13として公開されたものです。

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