「終活」という言葉が広く認知されるようになり、遺言書をはじめとした「相続対策」をする人が増えてきました。しかし、遺言書の書き方次第では、効力がなくなってしまったり、本来意図した形ではない相続がなされる場合があります。そこで本記事では、大坪正典税理士事務所の所長である大坪正典氏が、遺族が困ってしまう遺言書を紹介します。

愛人だけを愛しているという遺言書

「本当に愛していたのはお前だけだ」と、愛人のみへの感謝や愛情を込めた遺言を残されたような場合にも、残された遺族はひどく傷つきます。

 

かつてある有名タレントが、実際にこのような遺言書を残したことがあったそうです。ただ、そのケースでは、そのタレントの本妻との間柄が完全に冷えて別居しており、愛人と生活し事実婚状態となっていました。恐らく、なかなか離婚に応じてくれなかった本妻への意趣返しの気持ちを込めて、あえてそのような文言にしたのでしょう。

 

もっとも、誰か特定の人に過剰な思いを抱いていると、妻への配慮などは一切考えずに、このような遺言書を残してしまう恐れは十分にあります。それとは逆に、妻への愛情が強すぎると、自分の死後、その人生を不当に縛ってしまうような遺言書を残す危険性があるかもしれません。

 

私が過去に実際に目にしたケースでは、自分の死後、妻に再婚しないよう求める内容の遺言書を書いた人もいました。これなどは、もしかしたら「最も迷惑な遺言」といえるかもしれません。

相続争いは遺言書で防ぎなさい 改訂版

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大坪 正典

幻冬舎メディアコンサルティング

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相続争いは遺言書で防ぎなさい

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大坪 正典

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