医学部専門予備校・TMPS医学館代表取締役の長澤潔志氏が、自らの経験談をもとに、医学部受験のゆがんだ実態や教師が頼りにならなくなってしまった原因について解説していきます。

教師を志望している生徒には常識がない

予備校で講師のアルバイトをしている学生の中には、高校教師を志望しているという学生もいましたが、「やめて欲しい!」と私が心の中で叫んでしまうような、教師には向かないタイプがほとんどでした。挨拶もろくにできず、電話応対もままならず、社会人としての自覚も、コミュニケーション能力も低い人間ばかりだったと記憶しています。

 

こうして考えると、高校教師を志望する学生たちの多くは、教育にプライドや情熱を持って突き進もうという高い意識の人間には程遠い存在だと言えます。義務教育ではないという安心感。さらに国公立教師の場合には、公務員ならではの安定性―そういった自己中心的な発想で高校教師を志望している人間が多過ぎるのです。

 

これには政府も、かなり昔から頭を悩ませてきました。教員免許更新制が導入され、教員免許の取得を大学院レベルまで引き上げようという案も出ているほどです。

 

「ワカサギ」(魚類)と「シラサギ」(鳥類)を同じだと平然と言ってしまう。「カルボキシラーゼ」と「デカルボキシラーゼ」が同じものだと認識している。あるいは「散文」と「韻文」の違いも知らない。はたまた二次関数の平方完成すらできない。

 

そんな基本的な学力さえ持たない高校教師が、確かに存在しているのが実情です。同じく高校生の教育を担う者として、その事実を極めて遺憾に思います。

 

もちろん数は少ないものの、素晴らしい教師が存在するには違いありません。そうした優秀な教師をできる限り多く確保しなければ、日本の教育現場はますます無残な状況に追い込まれ、受験生をサポートできる教師は皆無となってしまうことでしょう。

 

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本連載は、『医学部受験の闇とカネ』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。なお本記事で紹介している内容は、著者の体験をもとに執筆しております。万一、本連載の記載内容により不測の事故等が生じた場合、著者、出版社はその責を負いかねますことをご了承ください。

医学部受験の闇とカネ

医学部受験の闇とカネ

長澤 潔志

幻冬舎メディアコンサルティング

講師歴30年の医学部専門予備校代表の長澤潔志氏が、実体験をもとに、合格率を偽って、「授業料を挙げる予備校」、「コネとカネがなければ合格できない推薦枠を設ける大学」、「指導力不足で受験生を浪人に導く高校」など、さま…

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