「人生100年時代」といわれています。22歳から65歳まで現役で働いていた時間よりも、定年後の時間のほうが長いのです。定年後の避けては通れない課題は「お金」「健康」「生きがい」。これが定年後の3大リスクです。この「3大リスク」をうまくクリアできれば、第二の人生をバラ色にすることがきます。本連載は長尾義弘・福岡武彦著『定年の教科書 お金 健康 生きがい』(河出書房新社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

生活のレベルを落とすことができない高額所得者

高額所得者ほど老後破綻を起こしやすい?!

 

老後のお金でもっとも大事なことは「収支のバランス」と言いました。

 

この「収支のバランス」がうまくいっていることが、老後生活の安定につながるのです。なぜなら、収支のバランスが取れている場合は、老後破綻は起こりにくいのです。逆にバランスが悪いと、老後破綻が起こる可能性が高いのです。

 

じつは、現役時代に高額所得者だった人が老後破綻に陥るケースが意外と多いのですが、そう聞くと、「なんで?」と思いますよね。これも収支のバランスが関係しているのです。

 

現役時代、年収が1200万円あった人は、月に60万円の支出であれば問題なく生活していけます。しかし、定年後は公的年金と企業年金だけになったとしたら、収入はぐっと減ってしまいます。

 

たとえば、年収が3分の1に減って400万円だとすれば、月額は約33万円。ところが支出も3分の1に減らすのは、かなり難しいものです。現役時代と同じように60万円で暮らしたならば、毎月27万円の赤字が出てしまい、老後資金が6000万円あったとしても、19年ほどしかもちません。65歳からだと84歳の時点で、老後資金が底をついてしまう計算です。もし、95歳までの30年分の老後資金を準備したいならば、約1億円が必要になります。

 

もうひとつ。高額所得者は収入が多いぶん、厚生年金の支払いも多くなると思い込んでいる人がいます。これには注意が必要です。

 

厚生年金は標準報酬月額によって保険料が異なります。月額8万8000円の1等級から、月額65万円の32等級まであります。つまり、標準報酬月額が65万円以上の人は支払う保険料はみな同じで、受け取れる年金額も同じということなのです。

 

超高額所得者だからといって、上限を超えた保険料は支払っていないので、年金をたくさん受け取れるわけでもないのです。

 

公的年金の受け取り額をしっかり確認しておく必要があります。

 

 

 

長尾 義弘
ファイナンシャルプランナー
AFP
日本年金学会会員

 

福岡 武彦
1株式会社ライフエレメンツ代表取締役
税理士

 

 

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