国民全員に10万円より、コロナの診療報酬を大幅に引き上げよ

新型コロナウイルスによる2回目の緊急事態宣言発令、そして延長…。まだまだ困難は続きそうです。患者を救う医療現場の疲労はピークにあり、経済活動は失速して景気も低迷。人々は健康不安、経済不安に苛まれながら、なんとか踏みとどまってる状況です。そのようななか、医療現場への集中的な経済支援行うことは、全国民にくまなく10万円を配るよりずっと高い効果が得られると考えます。経済評論家・塚崎公義氏が解説します。

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新型コロナ対応の医療従事者に、心からの感謝を

新型コロナの治療に注力している医療従事者の方々は、本当に大変です。自身への感染リスクの恐怖を感じながら、防護服等々の重装備を強いられ、未知の病と戦っています。しかも、自分や家族が「感染しているかもしれない」といった理由で差別的な対応をされるという、強い憤りを感じる事例すらあります。

 

まずは、そうした恐怖感・緊張感・理不尽さに耐えながら、新型コロナの治療に献身的に従事している医療関係者の方々に、心から感謝いたします。

 

そして筆者は、そのような方々に高額の謝礼(報酬)を支払うべきだと考えています。そのために増税されるのであれば、喜んで支払いたいと思います。

 

しかし本稿では、上記のような「温かい気持ち」からの視点ではなく、「冷たい頭脳」を使い、努めて冷静に経済的視点から事態を考察したいと思います。したがって、以下「ちょっと人情味に欠けるのでは…」と感じる内容が出てくるかもしれませんが、筆者は本稿執筆に際し、あえて感情面を封印していることを、どうかご理解いただければ幸いです。

医療現場の疲弊は限界値…もはや見過ごせない現実

新型コロナを治療している医療現場は、多忙を極めています。患者数が増えると病床が埋まってしまい、新しい患者が治療を受けられなくなるという可能性も出てきます。そうなれば、助かるはずだった患者が、入院できなかったことを理由に命を落とすことにもなりかねませんし、自宅療養中に周囲へ感染を広げてしまうことにもなりかねません。

 

そうした状況下においても、医療サービスの供給を増やすことは容易ではないはずです。極めて多忙であることに加え、冒頭で述べたようなストレス等々もあるわけですから、いま以上に治療を引き受けたいと考える医療機関は多くないはずですし、現在治療に従事している医療従事者のなかにも、やめてしまいたいと考えている人はいるでしょう。

 

採算面でも、新型コロナの治療を避けたい医療関係機関は多いかもしれません。新型コロナ患者を受け入れることで、医療機関の採算が悪化する可能性もありますから。たとえば、院内感染を防ぐための厳重な遮蔽等々が必要であったり、ほかの患者の受け入れを断る必要が出てきたりするだけでなく、患者の側の視点で見るなら、新型コロナの患者を積極的に受け入れている医療機関を受診したくないという人もいると考えられます。

 

「医は仁術なのだから、採算の話など出すな」といった考え方も当然あると思いますが、ここではあくまでも「冷たい頭脳」によって、これらの問題と向き合いたいと思います。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

 

経済評論家

1981年東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関連の仕事に従事したのち、2005年に退職して久留米大学へ。現在は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は勤務先と無関係に個人として行なっているものであるため、現職欄には経済評論家と記すものである。

著書に、『老後破産しないためのお金の教科書―年金・資産運用・相続の基礎知識』『初心者のための経済指標の見方・読み方 景気の先を読む力が身につく』(以上、東洋経済新報社)、『なんだ、そうなのか! 経済入門』(日本経済新聞出版社)、『退職金貧乏 定年後の「お金」の話』『なぜ、バブルは繰り返されるか?』(以上、祥伝社)、『経済暴論』『一番わかりやすい日本経済入門』(以上、河出書房新社)など多数。

趣味はFacebookとブログ。

著者紹介

連載経済評論家・塚崎公義の「身近なテーマで経済センスを磨く」実践講座

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