医療技術の発達で、老眼・白内障治療に大きな変化が生まれました。老眼鏡などのメガネをかけるのはできるだけ避けたい、と望む人の声に応えるために生まれた「多焦点眼内レンズ」。ほかの治療法と比べたメリットについて鈴木眼科グループ代表の鈴木高佳氏が解説します。

新しい治療「多焦点眼内レンズ」とはなんでしょう?

老眼・近視・遠視・乱視を治療する「多焦点眼内レンズ手術」について説明するには、まず「多焦点眼内レンズ」のことを知っていただく必要があります。

 

(写真はイメージです/PIXTA)
(写真はイメージです/PIXTA)

 

すでに多焦点眼内レンズを知っている方は、身近に白内障手術を受けた人がいるのかもしれません。多焦点眼内レンズは長い間、進行した白内障に対する白内障手術にのみ用いられてきたからです。

 

白内障手術を知らない人のために、ここで白内障手術と多焦点眼内レンズの関係を簡単に説明しておきましょう。

 

白内障手術は、白内障のせいで白く濁ってしまった目の中の水晶体を取り除き、代わりに人工の眼内レンズを挿入する手術です。

 

水晶体は本来的に、カメラでいう「レンズ」と「ピント調節」の役割をもっています。手術で水晶体を取り除くとそれらの機能がなくなってしまいますので、水晶体の代わりに入れる眼内レンズの機能を向上させることが、術後の目の機能を良くするための大命題でした。

 

眼内レンズが発明される前は、水晶体を取り除くだけで手術が完了していました。その状態では視界が明るくなっただけでほとんどなにも見えないため、手術を受けた人は常に分厚いレンズのメガネをかけなければなりませんでした。いわゆる「牛乳瓶の底のようなメガネ」です。

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※本記事は、鈴木高佳氏の著書「メガネ・コンタクトレンズはもういらない!多焦点眼内レンズ入門」(幻冬舎MC)より抜粋・再編集したものです。

メガネ・コンタクトレンズはもういらない!多焦点眼内レンズ入門

メガネ・コンタクトレンズはもういらない!多焦点眼内レンズ入門

鈴木 高佳

幻冬舎MC

鈴木眼科グループ代表の鈴木高佳氏が老眼・近視・乱視・白内障の悩みを老眼鏡なしで解決する多焦点眼内レンズについて解説します。

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