地中障害、土壌汚染、アスベスト…日本の暮らしには様々なリスクが潜んでいます。「売りたい」「(工場や会社に)使いたい」「住みたい」そんなとき、事前にチェックしておくべきポイントは? 事例を交えながら解説します。

土のせいで会社が破産…とんでもない悲劇

結局、鉛汚染に対しては、オークション前に土を入れ換える処理費用の見積書をとって、これを前提に入札を行いましたが、この事前処理のおかげで高値での売却ができました。仮に鉛が検出されなかったら調査費用が無駄になるのではないかと思われる方もいるかもしれませんが、そうではありません。「土壌汚染調査済み」という保証が得られることで、買主にとっての安心材料が一つ増えることになり、高値での購入に繋がるからです。

 

【事例2】土壌汚染処理費用の負担で会社が破産

 

これは筆者が最初から携わっていなかったのですが、うまく土壌汚染対策をしておかなかったために売主が痛い目を見たケースです。

 

ある会社が、土壌汚染が判明している土地の売却を考えて、引き渡し時までに汚染処理をして買主に引き渡すという売買契約をある宅建業者の仲介でしたものの、その後、汚染処理をするための費用があまりにも多額となったため破産してしまったのです。

 

筆者は、破産した後に、破産管財人からこの土地の売却を依頼され、少額の費用で汚染処理をする買主に買ってもらう仲介をしたのですが、最初の売買契約の時の詰めが甘いと感じていました。というのも、契約時に売主の処理費用が過大となる場合には、ペナルティーなしで売買契約を白紙解除できるという内容にしておけば、破産しなくても済んだ話だからです。

 

何か問題が判明した場合には、売買契約上での対応をしておくことが重要であるとよくわかるケースでした。

 

チェックポイント②:アスベスト

 

アスベスト(石綿)は、自然界に存在する鉱物繊維で「せきめん」「いしわた」と呼ばれています。石綿含有建材はその発じんの度合いによる作業レベルの観点から整理された「レベル1~3」として便宜的に分類されています。

 

レベル1は、もっとも飛散性の高い石綿含有吹付け材であり、建築基準法で規制されている吹付け石綿などが分類されています。次いで飛散性が高いレベル2には石綿含有保温材、断熱材、耐火被覆材が分類されています。レベル3は、それ以外の石綿含有建材が分類されますが、主にスレートや岩綿吸音板などの成形板の仕上げ材料です。

 

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