国の家賃支援給付金は、申請に対して84.6%が給付されています(2021年1月24日時点)。しかし、都道府県独自の給付金に「上乗せ策」があることは意外と知られていません。コロナ禍で苦境に立たされている中小企業は、対象となる給付金は迅速に申請することをおすすめします。今回は、その一部を紹介し、また後半では、賃料収入の減少に悩むビルオーナーのために「新しい美容室の形態」について説明します。※本連載では、企業再生のスペシャリストである坂本利秋氏が、中小企業が経営難を乗り切る方法を解説していきます。

美容師が個室を借りて個人で運営「シェアサロン」とは

さて、コロナの影響で所有しているビルのテナントが撤退し、賃料収入の減少に悩んでいるオーナーは多いと思います。ここからは、ビルオーナーの「新しい収益の形」として注目されている、「シェアサロン」について紹介します。

 

シェアサロンは、1室5坪程度の個室が4つほどあり、各部屋を4名の美容師が月額で借りるような形態です。もちろん省スペースに、カット台、シャンプー台がコンパクトに設置されています。

 

美容師の働き方も変わってくる?(※写真はイメージです/PIXTA)
美容師の働き方も変わってくる?(※写真はイメージです/PIXTA)


アメリカでは「ソラサロン」が有名で、全米で1,000店舗以上を展開しています。国内でも、都心部を中心にこのシェアサロンが増え始めています。商業ビルを所有し、空室で困っているビルオーナーにとっては、検討すべき事業モデルです。


美容師、顧客、ビルオーナーのそれぞれの視点から、このビジネスモデルを説明します。

美容師の視点…売上増加で「ダイレクト」に給与アップ

センスや技術、接客スキルを高め、多くの顧客を持つようになった美容師でも、給料は売上高と比較すると決して高くはありません。具体的には、月額100万円の売上高を計上する美容師でも、給料は30万円程度です。

 

しかし、近場で独立すれば、個客は特定の美容師についていくので、90万円程度の売上高が見込めるはずです。一人で運営できる店舗があればいいのですが、ないとしたら、独立をあきらめるか、業務委託契約に変えて分配率を上げるか、後輩を引き連れ独立し大きな店舗を借りるが現実的な選択肢です。

 

大きな店舗を借りるのは格好いいですが、経営スキルと多額の借入れが必要になります。上手くいけばいいですが、失敗すれば自己破産してしまうかもしれません。これはリスクが高すぎる選択肢です。そこで登場するのが、リスクを軽減して、収益を増やすシェアサロンです。


シェアサロンでは、美容師は月額の賃料を払えば、あとは自分の利益です。場所にもよりますが、売上高90万円で25万円の賃料を払っても、65万円の収益です。そのほかにカラー材、クリーニング代、水道光熱費等が5万円かかったとしても60万円の利益になり、現在の給与の2倍です。


しかも、省スペースですが、美容師は自身の好みに室内を装飾することができます。つまり、自分の世界観を作りながら、初期投資も多額の借金も不要で、経費は月額固定費のみです。頑張って売上高を増やせばダイレクトに収益につながるのが、美容師にとってのシェアサロン。月額売上高40万円程度の美容師には向きませんが、腕に覚えのある美容師には魅力的です。

 

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