
中学受験専門塾の著名講師が、難関中学入試に頻出する「地理」のポイントをわかりやすく解説! 軽妙な筆致で書かれた各県の魅力や特徴を読み進めれば、自然と知識が身につきます。ここでは、多くの小学生が苦手とする「工業」について紹介。重化学工業の種類をはじめ、鉄鋼業についてわかりやすく解説します。※本記事は、『合格する地理の授業 日本の産業編』(実務教育出版)から抜粋・再編集したものです。
鉄・アルミ原料の輸入元は?鉄鋼業がさかんな都市は?
●鉄の原料は、石炭を蒸し焼きにしたコークス・鉄鉱石・石灰石
鉄をつくる工業のことを鉄鋼業と言います。鉄の原料は主に3つ。石炭を蒸し焼きにしたコークスと鉄鉱石と石灰石です。この3つはよく試験に出てきます。絶対に覚えておきましょう。
鉄鉱石の「鉱」という字にも注意。「鋼」と間違えないようにしてくださいね。原料は「鉄鉱石」、完成品は「鉄鋼」。この2つを区別して、覚えてしまいましょう。
●石炭と鉄鉱石の輸入先はオーストラリア
さて、石炭と鉄鉱石はどの国からの輸入が一番多いでしょうか?
答えは、石炭も鉄鉱石もオーストラリアです。ちなみに石炭の2位はインドネシア、鉄鉱石の2位はブラジルです。

昔は、石炭は国内で採掘できていました。また、鉄鉱石も中国から多く輸入していました。このことは『合格する地理の授業47都道府県編』の九州地方・福岡県のページでも説明しているので、ぜひ読んでみてくださいね。
●「電気の缶詰」アルミニウム
アルミニウムの原料は、ボーキサイトです。
「何それ?」と思っている人も多いかもしれませんね。ボーキサイトとは、石の1つだと思ってください。アルミニウムは、つくるのにたくさんの電気を必要とするため、「電気の缶詰(かんづめ)」と呼ばれています。
日本では、静岡市の蒲原町(かんばらちょう)で2014年3月まで生産していました。
日本は電気代が高いので、自国で生産しても利益が出づらいのです。ですから、現在はボーキサイトからアルミニウムを生産することはしていません。
アルミニウムは、鉄などと同じ金属ですが、おにぎりを包むアルミホイルのように、身近なところでも多く使われています。
●製鉄所がある地域
製鉄所がある地域は、できれば全部覚えましょう。
「暗記は苦手だ、やりたくない!」という場合は、まず鹿嶋(かしま)市、君津(きみつ)市、川崎市、東海市、倉敷(くらしき)市から押さえてください。
ただし、日本の鉄鋼業は、安く大量生産している中国に押されてしまっています。たとえば呉(くれ)市にある日本製鉄の高炉は、2023年をめどにすべて閉鎖。和歌山県や北九州の高炉も、部分的に閉鎖することが決まっています。
●鉄鋼業がさかんな10都市の覚え方
6年生の授業では、いきなり「鉄鋼業がさかんな都市を10個書いてみよう」と課題を出されることがあります。10都市がすぐに出てくれば立派です! みなさんも1つでも多く覚えておいてくださいね。
普段あまり語呂(ごろ)合わせは使わないのですが、ちょっとつくってみました。
どうでしょう?
「おお き く ふ っ くら か わ いい 神 様、とう さん か あさん、む かし は チ キ ン」
大きな声を出すと、お父さんやお母さんに怒られてしまうかもしれませんから、小さな声でお願いしますね。
松本 亘正
中学受験専門塾ジーニアス運営会社代表
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