日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回、焦点をあてるのは「家賃水準」。賃貸派の人たちにとっては毎月の大きな支出となり、オーナーにとっては収益の柱となる「家賃」。全国の水準をみていきましょう。

日本で最も家賃水準が高いのはどこだ?

賃貸派にとって切り離せないのが、前出のとおり、住まいの選択の際に重要項目に挙げられる家賃。国土交通省「住宅市場動向調査」(令和元年度)によると、月額家賃の平均は7万5306円。「5万~7.5万円」が最も多く44.7%、「7.5万~10万円未満」が23.4%、「10万円以上」が17.3%となっています。

 

「共益費」の平均は4591円。その他の費用として、「敷金・保証金あり」は賃貸派全体の61.6%、「礼金あり」は71.7%、「仲介手数料あり」は51.9%、「更新料あり」は40.8%。その金額はすべて1ヵ月程度が最も多くなっています。

 

また「家賃の負担感がある(「非常に負担感がある」と「少し負担感がある」の合計)」との回答は57.8%。一方で「まったく負担感はない」という回答は12.3%。住まい選択の際に家賃を重視するものの、その他の条件を妥協できず、想定していた家賃よりも高い物件に決めてしまうことはよくあること。そして想定プラスαの家賃が、じわりじわりと負担になる……そんな賃貸派の実情が見えてきそうです。

 

このように、賃貸派にとって厄介な家賃。全国の市区町村で最も一畳当たりの家賃が高いのが、「東京都港区」で8992円。「東京都千代田区」8594円、「東京都渋谷区」7705円、「東京都中央区」7600円、「東京都文京区」6439円と続きます(図表3)

 

出所:総務省「住宅・土地統計調査」(平成30年) ※借家・主世帯に限定
[図表2]市区町村「専用住宅の1畳当たり家賃 」ランキング上位10 出所:総務省「住宅・土地統計調査」(平成30年)
※借家・主世帯に限定

 

やはり東京都23区は全国的にも家賃が高く上位を独占。東京都23区以外で最も一畳当たりの家賃が高いのが「大阪府大阪市西区」で5698円。都心回帰の流れのなか、再開発が盛んに行われている地域で、家賃も高水準になっています。

 

ほか主要都市のトップを見ていくと、横浜市は横浜駅やみなとみらいと有する「西区」が全体18位で5562円。名古屋市は多くの商業施設が集積する栄を有する「中区」で全体47位4374円、札幌市は大通りやすすきのを有する「中央区」が全体186位で3088円。福岡市は九州地方最大の商業地、天神を有する「中央区」が全体70位で3956円となっています。

 

一方、東京都23区で最も一畳当たりの家賃が低いのが「足立区」で3961円。1位の港区とは2.2倍の差が生じています。

 

上位100位に注目してみると、「東京都」が特別区ほか33自治体、「神奈川県」が横浜市各区、川崎市各区、相模原市各区など23自治体、「埼玉県」がさいたま市各区や川口市など12自治体、千葉県が千葉市中央区や浦安市など4自治体と、首都圏の家賃水準が突出しています。

 

コロナ禍で都心から郊外、地方へと人口が流出しているというニュースもありましたが、そのように移動できたのは、一部の人に限られ、まだまだ東京一極集中の傾向にあります。東京都の賃貸派を中心に、まだまだ「家賃が高い……」という嘆きがおさまることはなさそうです。

 

 

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