ウェブマーケティング業界は楽して儲けようという人が多いと指摘するのは後藤ブランド社長の後藤晴伸氏だ。「高い費用をかけても売り上げは伸びなかった」「報告書を読んでも、担当者に聞いても何をしているのかわからない」「契約したとたん対応が悪くなった」……。同業者にとって耳の痛いウェブマーケティングの実態を暴き、本当の魅力を伝える。本連載は後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)の抜粋原稿です。

広告でありながら市場調査ができる強み

あるときゴルフ関係のプロモーションをしていて、五十代、六十代の人のクリック数の比率が多く、三、四十代を上回りました。現役世代よりも時間とお金に余裕のある人が多いのかもしれません。ネットサーフィンであちこちに飛ばないのでサイトの滞在時間も長く、サイトの内容をよく見ています。

 

七十代より上になると、さすがにネットの利用者は少なくなりますが、ウェブマーケティングはシニア世代を含めて多くのターゲット層をカバーできるようになっています。

 

結果が数値化され、市場調査もできる

 

しかもウェブマーケティングは、どのくらいのコストをかけてどれだけの人がクリックし、そこから何件のコンバージョンにつながったかといった数値が明確に得られます。どんな人たちが関心を持ったかも分かるので、そこから顧客分析もできます。

 

指標が数値で得られるのは、デジタルの大きな特徴です。それを根拠にして、どこを改善すればもっと伸びしろがあるはずだとか、こういう人にアプローチすれば売上が伸びるだろうといった仮説にもとづいて戦略を立てることができます。

 

結果が数値化されて出てくると、「たぶんこうだろう」という見当だけでプロモーションをしなくても済みます。ここがウェブマーケティングの一番の強みかもしれません。

 

紙媒体で広告を出しても、反響があるのだろう、という感覚でしかとらえられません。結果が出ているのかいないのか、客観的なデータで出せないのが弱みです。

 

ウェブだと、たとえば東京都の人の反響が多いという数値が明確に出てきて、必要なら東京都の中でもエリアによる違いといったより細かい情報も得られます。

 

つまり広告であるとともに、市場調査も兼ねているのです。

 

昔は市場調査をするだけでも大変で、調査会社に依頼して、ご意見・ご要望のハガキを集めたり、アンケート調査や聞き取り調査をして集計しなければなりませんでした。

 

それがウェブ広告を出した結果を分析すれば、市場調査も同時に簡単に行うことができ、すぐに次の対応に移れます。その結果をリアルのプロモーションや経営戦略に生かしてもよく、ウェブだけにとどまらない波及効果があります。

 

ウェブマーケティングは、すべてにおいて従来のマーケティングよりもスピードが速く、予算がなければ少ないコストでも行うことができ、男女はもちろん子供から年配者まで幅広い層に訴求できます。しかも情報が集めやすいという特長を持っています。

 

このように、優れた点が多いウェブマーケティングをやらずにいる理由を探す方が難しいほどですが、まだまだしっかりと取り組むことができず、明らかに損をしている企業が多いのが現状です。

 

後藤 晴伸
後藤ブランド 社長

 

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増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

後藤 晴伸

幻冬舎メディアコンサルティング

業界を知り尽くした著者がウェブマーケティング業界の闇を暴露する衝撃の一冊。 インターネットがビジネスでも必須の存在となり、ウエブを活用した賞品宣伝や集客が当たり前になり、検索順位を上げたり、広告から商品の購入に…

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