仁義なき戦いがはじまった…一方、プロパンガスは?
このシステムのもとでは、事業者が大きな利益を出すこともありませんが、大きな損失を出すこともないため、安定した供給を行うことができるのです。また、値下げは自由にできても、国の許可なく値上げはできないので、消費者にとっても過大な料金を負担しなくていいという安心感があります。
しかし、この方式では、供給にかかる費用が担保されるため、事業者が経営効率化の努力を怠りがちになったり、過剰な設備投資を行ったりするなどの懸念もありました。ましてや自然独占が起こっている業界では、大手企業が既得権益にあぐらをかいていると思われても仕方のない状況があったのです。
自由化によって、価格競争が起こり、消費者はよりよいサービスをより安く受けることができるようになりました。既存の都市ガス会社に限らず、新規参入する会社を含めて、どこからガスを購入するのか、自由に選べるようになったのです。これにより、事業者はこれまで以上に経営の効率化やサービス向上といった企業努力を余儀なくされ、市場原理により淘汰(とうた)されるところも出てくるでしょう。
バブル経済崩壊やリーマン・ショック後の不景気の影響をそれほど受けず、常に均衡を保ち安定していた業界が、今まさに、群雄割拠の戦国時代に突入したといっても過言ではないのです。
■仁義なき戦いがはじまった
自由化以降、ガスのマーケットには大手電力会社が参入し、それ以外にもガス業界に可能性を感じている企業は虎視眈々と準備を進めています。ガス利用者の〝光熱費〟をめぐる戦いはすでにはじまっています。会社によっては、本体とはまったく別の社名で、営業専門のブローカーのような、ちょっと乱暴ないい方ですが〝悪徳〟会社を作り、仁義なき営業を仕掛けているところも出はじめています。
また都市ガスの自由化により、プロパンガス業界にも、大きな影響が及んでいます。前述の通り、プロパンガスの供給形態は、都市ガスのようにガス管を通って自動的に運ばれる集団供給ではなく、利用者の家の一軒一軒に、重いボンベを運搬しなければならない個別供給です。そのビジネススタイルは、泥臭い商売といえます。営業も、一軒一軒飛び込まなくてはなりません。都市ガスと比べて効率的とはいえないのです。
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