日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回、焦点をあてるのは「マイホーム」。新築一戸建てを購入する人たちの平均像をみていきます。

平均購入額は4615万円、ローンは3361万円

そんなマイホームを買うタイミングはいつなのでしょうか。世帯主の年齢をみてみると、「30歳代」が最も多く40.3%。続いて「40歳代」が23.0%。「20歳代」が10.7%となっています(図表1)

 

出所:国土交通省「住宅市場動向調査」(令和元年度)より作成
[図表1]新築一戸建て購入者「世帯主の年齢」 出所:国土交通省「住宅市場動向調査」(令和元年度)より作成

 

世帯主の立場としては、「会社・団体職員」が47.0%、「会社・団体役員」が20.1%、「公務員」が14.0%。世帯年収は「600万~800万円未満」が最も多く26.0%、「400~600万円未満」が25.9%と続きます(図表2)

 

出所:国土交通省「住宅市場動向調査」(令和元年度)より作成
[図表1]新築一戸建て購入者「世帯主の年収」 出所:国土交通省「住宅市場動向調査」(令和元年度)より作成

 

購入資金(住宅+土地)の平均は4615万円。そのうち「自己資金」は1254万円で、「預貯金等」は771万円、「贈与」は141万円、「相続遺産」は49万円(図表3)

 

出所:国土交通省「住宅市場動向調査」(令和元年度)より作成
[図表3]新築一戸建て購入者「購入資金等」 出所:国土交通省「住宅市場動向調査」(令和元年度)より作成

 

借入金の平均は3361万円ほど。借入先は「民間金融機関でフラット35」の利用は997万円、「民間金融機関でフラット35以外」が2263万円、「住宅金融支援機構」が73万円。住宅建築資金の返済期間は、「35年以上」が71.4%、「20~35年」が23.4%、土地購入資金の返済期間は、「35年以上」が83.5%、「20~35年未満」が13.7%。9割以上の人が20年以上、ローンに縛られているという状況です。

 

30代の会社員が、勤め先から30分程度のところに、35年3000万円以上のローンを組んで新築一軒家を買う……これがマイホーム購入の平均像。そして住宅ローンに対して「負担がある」と回答したのは、64.6%(「非常に負担感がある」と「少し負担感がある」の合計)。夢のマイホームを手に入れたものの、半数以上の人がローンを負担に感じている、というのが現状です(図表4)

 

出所:国土交通省「住宅市場動向調査」(令和元年度)より作成
[図表4]新築一戸建て購入者「ローンに対する負担の意識」 出所:国土交通省「住宅市場動向調査」(令和元年度)より作成

 

そんななか突如襲った新型コロナ。会社の業績が急激に悪化し、給与減、なかには職を失った人もいるでしょう。ローンを返せなくなり、自己破産の道を辿るようなケースもみられます。

 

裁判所の「司法統計月報(速報値)」をみると、2020年11月の自己破産は5,930件、さらに自然人(法人と対比されている概念で人のこと)は5,538件でした(関連記事:『都道府県「自己破産数」ランキング…コロナで最も苦境の県は?』)。2度目の緊急事態宣言によって、自己破産に陥るケースは増えていくものと考えられます。

 

せっかく手に入れたマイホーム。手放すことなく、何とかこの難局を乗り越えていきたいものです。

 

 

【関連記事】

税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ

 

親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

「儲かるなら自分がやれば?」と投資セミナーで質問すると

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧