近年では相続税の課税はますます重く、また、これまで許容されていた対策にも規制がかかるなど、非常に厳しいものとなっています。大切な資産を減らすことなく無事に相続を乗り切るには、どのような手段があるのでしょうか。「相続実務士」のもとに寄せられた相談実例をもとにプロフェッショナルが解説します。

 贈与手続き終了後、母親から兄に報告すれば穏便に

贈与の手続きにかかるのは、名義替えの費用と、あとで課税される不動産取得税です。相続よりは割高になりますが、遠藤さんは、それよりも不安をなくしておきたいということでしたので「すぐに母親に説明して、必要な書類を揃えます」といってお帰りになりました。

 

遠藤さんの兄には、贈与の手続きが終わってから母親から伝えておいてもらうようアドバイスしました。母親の意思を伝えてもらうと余計な争いにはなりにくいからです。

 

●できる対策

土地に関して母親から贈与を受ける。
贈与契約書を作成、司法書士の意思確認もする。
相続時精算課税制度を利用して、贈与税は納税なしを選択。
翌年、税務署に申告をしておく。

●注意すべきポイント

兄と感情的な争いにならないよう、母親から贈与の意思を伝えてもらう。
預金などのほかの財産については、生活費や老後資金に充て、残りを子ども2人で分ける等の遺言書を作ってもらうと、争いになりにくい。

 

※登場人物は仮名です。プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。

 

 

曽根 惠子

株式会社夢相続代表取締役

公認不動産コンサルティングマスター

相続対策専門士

 

 

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    本記事は、株式会社夢相続が運営するサイトに掲載された相談事例を転載・再編集したものです。

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