日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回、焦点をあてるのは「食生活とBMI」。巷では「自粛太り」という言葉もよく聞かれますが、日本人の平均はどれくらいなのでしょうか?

食事は家で済ませるか、それとも外で済ませるか?

このような栄養、食品をどのように摂っているのでしょうか。朝、昼、夕別に食事の状況をみていきます。

 

まず「朝」。「家庭食」は75.3%、「調理済み食」が10.9%、「外食」は1.7%。自分で作るか、作らないかは別として、朝は家庭でという人が圧倒的に多いようです。一方で朝、何も口にしないのは3.1%。意外と少ないように思えますが、年代によってバラつきがあります。「20~29歳」に限ると18.4%、「40~49歳」では14.3%、「30~39歳」は7.1%が「朝は食べない」と回答。一方、60~69歳は1.4%、70歳以上はゼロ%。「朝はできるだけ寝ていたい」などと考えているのでしょうか。朝食を抜きがちな現役世代の姿がみえてきました。

 

「昼」はどうでしょう。「家庭食」は58.2%、「調理済み食」が14.8%、「外食」は14.2%。やはり外食が占める割合が増え、特に「30~39歳」「40~49歳」は35.7%と、3人に1人以上は、昼は外で食事を済ませています。一方で「50~59歳」で56.2%、「30~39歳」が42.9%が「家庭食」。誰が作るかはさておき、お弁当持参で出勤している人はかなり多いようです。

 

「夜」は「家庭食」が42.0%、「調理済み食」が18.8%、「外食」は20.0%。さらに外食を楽しむ割合が高まります。特に「40~49歳」は「外食」が40.0%、「家庭食」は10.0%。「中間管理職は大変だ……」と飲みながら愚痴を言い合っているのでしょうか。5人に2人は夜は食べて帰り、家で温かい夕食を口にするのは10人に1人だけ、というのが現実です。

BMI25以上…肥満に分類される成人男性は何割?

このような食生活をしている日本人ですが、肥満度を表す体格指数であるBMIはどうなっているのでしょうか。BMI平均値(15歳以上、妊婦除外)は、男性で23.8、女性で22.5(図表1)。「普通」に分類される「BMI18.5以上25未満」は65.3%、「やせ」に分類される「BMI18.5未満」は8.4%、「肥満」に分類される「BMI25以上」が26.3%。日本人の4人に1人は「肥満」です(図表2)。2010年の同調査では「BMI25以上」は24.6%。確実に日本人の肥満化は進行しています。

 

出所:厚生労働省「国民健康・栄養調査」(令和元年)より作成
[図表1]BMIの平均値 出所:厚生労働省「国民健康・栄養調査」(令和元年)より作成
出所:厚生労働省「国民健康・栄養調査」(令和元年)より作成
[図表2]BMIの状況(男女総合) 出所:厚生労働省「国民健康・栄養調査」(令和元年)より作成

 

男女別にみると、男性の肥満は31.8%、女性の肥満は21.6%。やはり男性のほうが肥満対策は必要です。さらに男性を年代別にみていくと、「15~19歳」は肥満に分類さえるのが5.4%しかいませんが、「20~29歳」になると23.1%、「30~39歳」で29.4%と、年齢が上がるにつれて増加。「40~49歳」になると39.7%とピークに達し、「50~59歳」でも39.2%と高水準を保っています(図表3)

 

 

厚生労働省による「国民健康・栄養調査」(令和元年)より作成
[図表3]BMIの状況(男性) 厚生労働省による「国民健康・栄養調査」(令和元年)より作成

 

また厚生労働省「令和元年国民生活基礎調査」によると、「肥満症」で通院する人の割合が高いのが「沖縄県」で総人口に対する割合は0.69%。「佐賀県」0.61%、「愛媛県」0.60%、「京都府」0.58%、「山形県」0.56%と続きます。一方で最も少ないのが「滋賀県」で人口比0.28%。「高知県」「秋田県」「群馬県」「和歌山県」と続きます。肥満においても、地域差があるようです(図表4)

 

出所:厚生労働省「国民生活基礎調査」(令和元年)より作成
[図表4]都道府県別「肥満症通院対人口比」ワースト10 出所:厚生労働省「国民生活基礎調査」(令和元年)より作成

 

肥満は生活習慣病の要因とされ、このコロナ禍では感染リスクを高めるとされています。何とか解消したいところですが、それには食習慣の改善は必須です。

 

しかし前出の厚生労働省「国民健康・栄養調査」(令和元年)によると、肥満に分類された人のうち、「食生活の改善意思がない」との回答は14.3%、「関心はあるが改善するつもりはない」は25.0%、合わせて4割近い人が改善に向けて消極的、という結果になっています。

 

仕事で忙殺する年代。楽しみは食べることだけ、という人も多いでしょう。「楽して痩せたい」というのが本音でしょうが、それで肥満が改善できるのであれば、そもそも太ることはありません。コロナ禍を乗り切るためにも、いま一度、肥満解消を目指してみてはどうでしょうか。

 

 

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