近年、がんを治療(入院)せず、共存の道を選ぶ高齢者が増加しています。本記事では、国民健康保険坂下病院名誉院長の髙山哲夫氏の著書『新・健康夜咄』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、「現役医師」の声をお届けします。

 

このお二人の他にもがんと共存されている方が化石医師の外来には何人もいます。そんな方々と触れ合っていますとがんと闘うことだけが医療ではないと思います。ただそうした方々を支えるためには地域の充実した医療機関の存在が必要です。普段診ていても悪くなったら「よそへ行ってくれ」では地域の方々は安心して生活できません。

無駄を省き高度医療を拠点化することに異論はないが…

「困った時はいつでも来て下さい」と言われてこそ地域の皆さんも安心して生活できるのです。医療の集約化の中で地域の医療機関の統廃合が推進されています。無駄を省くため高度医療を拠点化することには異論はありません。

 

でも高度な医療を必要とする患者さんばかりではないのです。むしろそうではない患者さんの方が多い。でも集約化の結果、地域の医療はすたれ、医師がいなくなってしまいました。

 

地域の医療は単に医療機関の問題、行政の問題ではありません。「住み慣れた地域で安心して暮らせる」一番のキーポイントは医療です。医療が無ければ住民の方々はもっと住みよい地域を求めてその地を去り、地域は衰退してしまいます。

 

単に医療機関の運営が赤字だからの問題ではないのです。そのことをわかっている行政の方は少ない。目先のことではなく遠く将来を見据えた地域医療を考えて欲しいものです。その中心になるのは地域住民です。

 

 

※本記事は連載『新・健康夜咄』を再構成したものです。

 

 

 

髙山 哲夫

国民健康保険坂下病院名誉院長

 

 

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新・健康夜咄

新・健康夜咄

髙山 哲夫

幻冬舎メディアコンサルティング

最新医療機器より大切なものは、患者さんを想う心――。著者のところには、がん、糖尿病、嚥下困難、胃ろう、認知症、独居うつ、褥瘡など、様々な病気をもつ高齢の患者さんがやってくる。地域の高齢な患者さんの声に真摯に耳を…

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