日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回、焦点をあてるのは「大学進学率」。新しく「大学入学共通テスト」が始まりますが、地域によって大学進学率はどれほど違うものでしょうか。

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都道府県別に「大学進学率」をみていくと…

少子化が進むなか、大学の総定員数が入学希望者の総数を上回る「大学全入時代」などといわれています。あくまでも統計上の話で、希望する大学・学部に入学できることとイコールではありません。ゆえに浪人生がいなくなるわけではありませんが、大学進学が特別なことだった時代に比べると、大学進学への垣根は非常に低くなったといえるでしょう。

 

文部科学省「学校基本調査」(令和元年度)によると、高校卒業者105万559人のうち、大学進学者は57万4308人、大学進学率は54.67%。2人に1人以上が、高校卒業後、大学生になっている計算です。浪人生も含めると、さらにその数値は高くなるでしょう。

 

都道府県別にみていきましょう。高校卒業者数に対し、大学進学者数が最も多いのが「京都府」。大学進学率は65.87%。続いて「東京都」で65.13%。「兵庫県」60.90%、「神奈川県」60.70%、「広島県」60.64%と続きます(図表1)

 

出所:文部科学省「学校基本調査」(令和元年度)より作成
[図表1]都道府県別「大学進学率」トップ10 出所:文部科学省「学校基本調査」(令和元年度)より作成

 

一方で、その割合が最も低いのが「沖縄県」で39.65%。「山口県」43.06%、「鹿児島県」43.28%、「鳥取県」43.31%、「岩手県」43.70%と続きます。大学進学率が50%を超えているのは25都府県。浪人生も加えると、高校生は就職を考えるよりも大学受験をするほうが多数派、といえる状況です。

 

大学進学率1位の「京都府」、特に「京都市」には、京都大学をはじめ、京都府立大学、京都教育大学などの国公立大学、同志社大学や立命館大学、龍谷大学、佛教大学、京都外国語大学、京都産業大学などの私立大学と、多数の大学が集積しています。このような土地柄も、高い大学進学率に繋がっているのでしょう。

 

また大学進学率と教育費の間には深い関係がありそうですが、実際はどうでしょうか。総務省の「家計調査年報」(2019年)によると、勤労世帯の教育費の平均は月額18529円。都道府県別にみていくと、家計において最も教育費が高いのが「東京都」。「埼玉県」「奈良県」「神奈川県」「熊本県」と続きます。大学進学率1位の「京都府」は11位。上位ではありますが、それよりも大学が多いという環境的な要因のほうが進学率に影響を与えているかもしれません(図表2)

 

出所:総務省「家計調査年報」(2019年)より作成
[図表2]都道府県別「教育費ランキング」トップ10 出所:総務省「家計調査年報」(2019年)より作成

 

コロナ禍という特異な状況下で、受験生はより緊張を強いられていることでしょう。これまでの努力が報われることを願うばかりです。

 

 

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