建売住宅の欠陥・不具合を見抜く秘訣とは…!? 今回は「窓」を見ていきましょう。 ※本記事は、書籍『こんな建売住宅は買うな』から抜粋したものです。その後の法律・条例改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

「基準にクリアしていれば安全!」というわけでもない

この2つの基準について、比べてみましょう。

 

最も新しい改正は、2000(平成12)年に行われたもので、性能規定の概念が導入されました。建築基準法の規定は、仕様規定と性能規定の2つの概念から成り立っています。仕様規定では、構造物の材料や工法、寸法を細かく決め込んでいます。ですから、この規定のもとでは、あまり自由なデザインを行うことは難しかったのです。

 

一方、性能規定は、構造物に必要とされる性能は規定しますが、個々の仕様については決め込まれていません。これによって、設計・施工における自由度が高くなったため、今までにはない構造の建物が生まれるようになったのです。

 

この性能規定を取り入れるにあたって、次のような基準が導入されました(国土交通省HPより抜粋)。

 

【許容応力計算】(一次設計)

「中規模の地震動でほとんど損傷しない」ことの検証を行う

→建築物の存在期間中に数度遭遇することを考慮すべき稀に発生する地震動による倒壊のおそれのないこと。

 

【保有水平耐力計算】(二次設計)

「大規模の地震動で倒壊・崩壊しない」ことの検証を行う

→建築物の存在期間中に一度は遭遇することを考慮すべき極めてまれに発生する地震動による倒壊のおそれのないこと。

 

しかし、ここで重要なのは、定められているのが最低基準だということです。これをクリアしていれば問題がないというわけではありません。家の建っている地盤や地形などによって、最低基準のとらえ方は変わるのが当然といえます。

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本連載は、2015年6月25日刊行の書籍『こんな建売住宅は買うな』から抜粋したものです。その後の法律・条例改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

こんな建売住宅は買うな

こんな建売住宅は買うな

田中 勲

幻冬舎メディアコンサルティング

注文住宅と比べて安く購入できる建売住宅は、特に地価の高い都心近郊で人気がありますが、実は流通している住宅の大部分が目に見えない欠陥・不具合を抱えているのが実情です。 実際に、断熱材のズレ・不足や、準防火地域にお…

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