
仲睦まじく暮らしていたごく普通の夫婦。夫の母は高齢となり、認知症を発症しますが、家族で心配をしていた矢先、夫が突然死してしまいます。夫も子もない妻は、相続権を持たない義母名義の家から追われることに。最悪の事態を防ぐには、どんな対策が必要だったのでしょうか?
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夫婦が暮らす品川の邸宅は、夫の母親名義
超高齢化社会となった日本。平均寿命は延びましたが、それによって親よりも子どもが先に亡くなる「逆縁」も増えてきました。子どもにとっては、年老いた親を残して旅立つほどの心残りはなく、親にとっては、子どもに先立たれるほど悲しいことはありません。
しかし、現実的な問題として、逆縁は相続問題を複雑化することも多いですし、残された親族の人生を大きく変えるトラブルの火種となる心配もあるのです。
ここでは、夫が突然死したことで、姑名義の家に暮らしていた妻が窮地に立たされた事例を紹介します。
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A子さんは東京都品川区に住む専業主婦です。夫は大学の同級生で、舅姑には学生時代からかわいがられていました。数十年前に結婚した際、姑は二人のために、自分が所有する大きな一軒家で生活するよう勧めました。姑は資産家の一人娘で、都内に数軒の不動産を所有しているのです。
A子さんと夫は広い家で円満に暮らしていましたが、残念ながらお子さんには恵まれませんでした。しかし、それをとがめられることもなく、舅姑ともいい関係を保ちながら交流を続けていました。
会社役員だった義父は70歳で退職し、その後しばらくして他界。すると、姑には認知症の症状が現れはじめ、次第にひどくなってきました。A子さんは施設への入所を提案しましたが、夫のきょうだいである二人の妹は、首を縦に振りません。
「お母さんを施設に入れたらかわいそう。どうして住み慣れたところを離れなければいけないの?」
話し合った結果、A子さん主導で姑の面倒を見ることになりました。夫が長男であること、A子さんが専業主婦で子どもがいないこと、夫の二人の妹は嫁いでおり、まだまだ子どもに手がかかることが理由でした。