コロナ禍「SNSで出会い探し」に潜むストーカー発生のリスク

コロナ禍において、人とのコミュニケーションはどうしてもインターネットに偏りがちです。ネット利用にまつわる注意喚起は子どもや高齢者へのものばかりだと思われがちですが、ネットを使いこなし、リテラシーがあるはずの大人であっても、閉塞感や不安感が満ちているこの状況下、リスクにさらされる危険は増しています。弁護士がネットを介したトラブルに警鐘を鳴らします。

 

「①つきまとい等」とは、特定の者に対する恋愛感情、その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次のいずれかに掲げるような行為です。

 

[ア]つきまとい・待ち伏せ・押しかけ・うろつき等

[イ]監視していると告げる行為

[ウ]面会や交際の要求

[エ]乱暴な言動

[オ]無言電話、拒否後の連続した電話・ファクシミリ・電子メール・SNS等

[カ]汚物等の送付

[キ]名誉を傷つける

[ク]性的羞恥心の侵害

 

このような「つきまとい等」を同一の人に対して繰り返し行うことを、「②ストーカー行為」と規定しています。

 

2016年以降は規制法が改正され、無言電話や携帯電話、会社、自宅への電話のほか、メールやSNSなどを利用した迷惑行為も規制の対象になりました。ラインやフェイスブック、ツイッターなどへの執拗なメッセージ送信や、SNSのダイレクトメッセージなど個人ページへのコメントなども規制対象に含まれます。

 

まさに今、こうした迷惑行為を受けていると思い当たる方は、消したりせずにしっかり保存しておくようにしましょう。のちのち、大事な証拠になるはずです。

ストーカー被害は自己解決を目指さず、警察に相談を

一方的に好意を抱き、つきまといなどの迷惑行為を繰り返す相手に、自分でなんとかしようと思っても、できることは限られています。状況によっては逆恨みされ、命の危険にさらされるリスクもゼロではありません。

 

もしストーカー被害にあった場合は、最寄りの警察署に相談することが一番安全かつ確実です。被害届を出せば、加害者に対して「ストーカー行為を行ってはならない」と警告が発せられ、これを無視してストーカー行為を繰り返せば、逮捕されることになります。また、警告とは別に、都道府県公安委員会から禁止命令が発せられることもあります。

 

このように、ストーカー行為には厳しい罰が科せられますが、ストーカー加害者にとっては自分の行為は正義であり、受け入れてくれない相手が悪いと思い込んでいるものです。なかなか正直に言えないトラブルだとしても、家族などをはじめとする親しい周囲の人々にも危害が及ぶ可能性もありますから、ストーカー被害にあっている場合は早めに打ち明け、警戒を促すようにしましょう。

 

いずれにしろ、現代社会で生きる我々にとって、インターネットはなくてはならない通信手段です。ストーカー被害に遭わないためにも、SNSなどで出会う素性の知れない人に、簡単に気を許すようなことがあってはいけません。ましてや個人を特定できるような情報を教えないのは当然です。便利に使えるツールだからこそ、適切に情報を管理し、楽しい関係を築けるように心がけたいものです。

 

 

稲葉セントラル法律事務所

稲葉 治久 弁護士

 

 

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稲葉セントラル法律事務所
東京弁護士会 代表弁護士

1976年茨城県生まれ。江戸川学園取手高校卒業。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。青年海外協力隊員としてアフリカ・ジンバブエでボランティア活動。関東学院大学法科大学院卒業。平成24年弁護士登録都内大手法律事務所勤務。平成28年7月より稲葉セントラル法律事務所を開設。メディアへの出演・法律監修多数。

著者紹介

連載ビジネスマンが知っておきたい身近な法律の基礎知識

本記事は、稲葉セントラル法律事務所のウェブサイトから転載したものです。

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