相続税は、遺族の結束によって節税が可能な税金です。しかし、いざ相続となったときにそれぞれの勝手な思惑がぶつかったり、外野が口を挟んだり・・・と、揉め事の原因は尽きません。*本記事は廣田龍介税理士の著作『相続財産を3代先まで残す方法』から一部を抜粋、再編集したものです。

遺言書を作る前には「家族会議」の機会を持つ

遺言書に記載する本人の意志を決めるのに、1人ではなかなか決めづらいこともあるかと思います。それはもしかしたら、受け取るほうの気持ちを考えているからではないでしょうか。自分の意志を決めるのにたった1人きりで最初から最後まで考える必要はありません。決定権はもちろん本人にありますが、参考意見は多少でもあってよいはずです。

 

私は遺言書を作る前に、家族と話し合いをする家族会議の機会を持つことをお勧めしています。なぜなら、家族と話し合ってみたら、自分が考えていたことより、もっとよい分割方法が見つかるかもしれないからです。

 

自分がよかれと思って決めた内容でも、残念ながら子どもにとって明らかに望ましくないことも出てきます。親子とはいえ、大人になってから何十年も経って、子どもがどのような状況になっているか隅から隅まで把握しているということは、ほとんどの家庭でありえないことだと思います。ただ、表面的にはわからない子どもたちの本当の事情を知っておくことは、遺言書を作る上で重要なことなのです。

 

残念ながら子どもにとっては明らかに望ましくない内容かもしれない… (画像はイメージです/PIXTA)
残念ながら子どもにとっては明らかに望ましくない内容かもしれない…
(画像はイメージです/PIXTA)

 

もちろん遺言書は相続人同士のトラブルを防ぐことが第一目的ですが、相続人それぞれの希望に近い分割方法を提示したほうが、その後の相続人の人生によい影響を与えられ、皆が満足する相続に近づいていくというものです。

次ページ家族間で「過去・現在・未来」について話し合う

本記事は、2013年8月2日刊行の書籍『相続財産を3代先まで残す方法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

相続財産を3代先まで残す方法

相続財産を3代先まで残す方法

廣田 龍介

幻冬舎メディアコンサルティング

高齢化による老々相続、各々の権利主張、そして重い税負担…。 現代の相続には様々な問題が横たわり、その中で、骨肉の争いで泥沼にハマっていく一族もあれば、全員で一致団結して知恵を出し合い、先祖代々の資産を守っていく…

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