「緊急事態宣言は適切ではない」…台湾が感染爆発を防げたワケ

こんな人材が日本にも欲しかった。オードリー・タン。2020年に全世界を襲った新型コロナウイルスの封じ込めに成功した台湾。その中心的な役割を担い、世界のメディアがいま、最も注目するデジタルテクノロジー界の異才が、コロナ対策成功の秘密、デジタルと民主主義、デジタルと教育、AIとイノベーション、そして日本へのメッセージを語る。本連載はオードリー・タン著『オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る』(プレジデント社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

緊急事態宣言がなくても国民が政府に協力した

実を言うと、この全民健康保険制度そのものも、2002年、2003年に社会の異なる階層や年齢、そして地方から代表者が集まって審議されたことがあります。その点で、この制度は、社会のあらゆる意見を集めて形成された融合的なものとも言えます。そのような経緯があるため、この全民保険制度の正当性は、民間の保険会社と比べても遜色なく、信頼されるに足るものとなっているのです。

 

同時に、それは政府と人々の信頼関係を意味しています。政府が人々を信用していなければ、今回も強制力によって管理することになったでしょう。つまり、「人々が自主管理できない」という理由で、刑罰による威嚇や監禁、ロックダウンの強制といった手段をとらざるを得なかったかもしれません。

 

しかし、CECCは当初から「緊急事態宣言を発布するような状態ではない」と言ってきました。「緊急事態宣言をすれば強権的なことができるけれど、それは適切ではない。緊急事態宣言を出さなくても、国民が自発的に政府に協力してくれることが大切だ」という考えだったのです。

 

たとえば、バーやナイトクラブのような匿名性の高い場所は、以前は防疫に協力してもらえるとは考えられていませんでした。しかし、CECCの陳時中指揮官は、彼らを信頼して、防疫の方式として実名登録や写真による記録などを提案しました。最終的に、バーやナイトクラブもそれに応じることによって、営業を続けることができました。

 

最初から「誰かが違反するだろう」などという先入観を持って強制的なやり方を選択するのは、いい方法ではありません。誰でも感染などしたくないのですから、「どのようにすればお互い協力できるのか」ということを考えるべきなのです。それが政府と人々の重要な信頼の源になるわけで、両者の間に相互信頼があったことが、台湾において感染拡大を防いだ最大の理由であったと言っていいと思います。

 

全民健康保険カードやクレジットカードによって本人確認を行い、さらに行政機関のデータとリンクさせるというやり方は、ITの活用によって実現したことですが、それは政府と人々との間に信頼関係があったからこそ実現したのです。このような相互信頼が、社会のデジタル化を推進していくときに不可欠な前提条件になると私は考えています。

 

オードリー・タン
台湾デジタル担当政務委員(閣僚)

 

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台湾デジタル担当政務委員(閣僚)

1981年台湾台北市生まれ。幼い頃からコンピュータに興味を示し、15歳で中学校を中退、プログラマーとしてスタートアップ企業数社を設立。19歳のとき、シリコンバレーでソフトウエア会社を起業。2005年、プログラミング言語「Perl6(現Raku)」開発への貢献で世界から注目。同年、トランスジェンダーであることを公表し、女性への性別移行を開始する(現在は「無性別」)。2014年、米アップルでデジタル顧問に就任、Siriなど高レベルの人工知能プロジェクトに加わる。2016年10月より、蔡英文政権において、35歳の史上最年少で行政院(内閣)に入閣、無任所閣僚の政務委員(デジタル担当)に登用され、部門を超えて行政や政治のデジタル化を主導する役割を担っている。2020年新型コロナウイルス禍においてマスク在庫管理システムを構築、台湾での感染拡大防止に大きな貢献を果たす。

著者紹介

連載「政治を、経済を、未来を変える」デジタルとAIの未来を語ろう

オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る

オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る

オードリー・タン

プレジデント社

2020年に全世界を襲った新型コロナウイルス(COVID‐19)の封じ込めに、成功した台湾。その中心的な役割を担い、2020年新型コロナウイルス禍においてマスク在庫管理システムを構築、台湾での感染拡大防止に大きな貢献を果たす。…

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