どの業種にもいえることですが、ベテランになればなるほど、他者の意見に耳を貸さなくなる傾向があります。本記事では、国民健康保険坂下病院名誉院長の髙山哲夫氏の著書『新・健康夜咄』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、「現役医師」の声をお届けします。

後日、同じ医師から電話が…著者が大雑把過ぎるのか?

同じ医師から別の患者さんのことで電話が入りました。1年以上前に当院で気胸の治療を受けられた方のことです。

 

「また同じような症状が出て、今回は当該病院を受診されたようですが1年前の発症時の様子、治療経過について細かなデータを送って下さい」

 

気胸は突発的に発症します。今回の発症について細かく問診し実際に診察すれば治療方針は立ちます。1年前のことを問い合わせる必要もないと思うのですが、私が大雑把過ぎるのでしょうか。

照らし合わせれば、薬の使用目的はわかるはずだが…

大学にある患者さんを紹介しました。

 

担当医から「これらの薬はどのような意図で使用されたのでしょうか。お教え下さい」との問い合わせ。患者さんの病気を治すために使っただけで病名と照らし合わせれば使用目的はわかります。問い合わせを受ける程突飛な薬剤投与をした訳ではありません。

 

さて、カルテを詳細に記載してあるなと感心して眺めたらずっと以前まで遡っても同じ記述です。

 

「奥さんが危篤状態」

「家族が入院して手術予定」

 

危篤状態や手術予定が何か月も持続することはありません。電子カルテはすぐにコピー、貼り付けができます。でもカルテに求められるものはその日患者さんにどのような訴えがあり診察した結果、検査の結果からどのように考え、こんな治療を行ったといった診療記録です。

 

どうも最近はコモンセンスに欠けた医師が多いようです。新医師臨床研修制度から生まれる若い医師に期待します。

 

 

※本記事は連載『新・健康夜咄』を再構成したものです。

 

 

 

髙山 哲夫

国民健康保険坂下病院名誉院長

 

 

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    髙山 哲夫

    幻冬舎メディアコンサルティング

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